経営情報学部山内ゼミは、2020年度の社会連携事業として「道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢」におけるマーケティングリサーチプロジェクトを実施しました。この度の活動は、新型コロナウィルス禍ではありますが、「道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢」の今後の来客数及び顧客満足度の向上を図ることを目的に、山内ゼミの学生42名(3回生19名、2回生23名)がフィールドワーク調査、アンケート調査、インタビュー調査を感染症対策のもと実施し、収集した情報に基づいて現状を分析し、課題を抽出した上で課題解決のための企画を提案しました。
 「道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢」は、西日本エリアの道の駅では最大級の敷地面積を誇り、道の駅として地元農産物の販売だけでなくフルーツ狩りができ、遊園地、ホテルまでも備えた施設です。まずはその施設の詳細を知るため2020年10月29日(水)に、我々山内ゼミの42名は訪問し、高山専務から施設の概要や歴史に関するレクチャーを受けたあと、フィールドワークとして10のグループに分かれて施設内を隅々まで調査しました。
 先の調査によって「道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢」に関する情報を得た我々が次に行ったのは、ライバル施設の調査です。ライバル候補として同じ道の駅の「能勢くりの里(大阪府)」「かつらぎ(奈良県)」「竜王かがみの里(滋賀県)」と、集客施設として「有馬温泉街(兵庫県)」「神戸三田アウトレットモール(兵庫県)」「EXPO CITY(大阪府)」「新名神高速道路宝塚北サービスエリア(兵庫県)」をグループごとに訪問し、フィールドワークによって施設の特徴や道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢にはない良い所や改善点を詳細に調べあげました。
 自分の施設とライバルの施設を調査した我々が次に取り組んだのは、顧客情報の収集です。この度の調査では、2種類の顧客を想定しました。1つは施設に遊びに来てくれた「顧客」です。もう1つは、道の駅に地元野菜を卸してくれている「生産者(農家)」も顧客だと考えました。12月18日(金)に2回生がグループに分かれて生産者を個別に訪問し、インタビュー調査によって取引の現状や将来の展望、道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢に対する要望などに関する情報を収集しました。12月19日(土)には3回生が道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢に来た顧客に対してアンケート調査を実施しました。アンケートでは施設に対する期待値や満足度について質問しましたが、途中雪が舞ったりする天気の中200名の方に応えていただけました。
 道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢、ライバル施設、顧客の情報を得た我々は、2021年1月〜3月の期間で現状分析を行い、そこから道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢が抱える課題を抽出し、課題を解決するための企画を立案しました。この期間は大阪府も新型コロナウィルス禍の緊急事態宣言下にあって、大学でのグループ活動も思うようにできなかったのですが、集まれた時には集中的に議論することによって効率的に企画案の作成に取り組むことができたと思います。
 我々が作成した企画案は、2021年3月23日(火)に道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢を運営する株式会社北神地域振興の高山壽弘専務、国土交通省近畿地方整備局大阪国道事務所の山下真吾氏、神戸市経済観光局農水産課の山口隆喜課長、建部勝彦係長、則光紗絵子氏を本学にお招きし、本キャンパス1号館フロンティアホールにて報告発表会を開催しました。10のグループによる発表では、それぞれの発表に対して高山専務からの評価と意見を頂くことができました。特に企画案は、単発的なイベント企画ではなく、施設の特徴を活かしながら改善に取り組むことによって継続的に集客向上を図ることができ、顧客満足の向上も図るといった内容が多かったことから、高山専務から「アイデアの中には自分たちの視点にはない発想が多々あり、明日からでも検討して取り組みたいものがあった」とのコメントも頂くことができました。
 最後に、この度の取り組みはコロナ禍で様々な制約条件が課された中での活動でしたが、逆に学生の皆さんが集中して取り組むことで集中力が身についたように思います。また、山内ゼミ42名の学生にこうした「学びの場」を提供していただいた道の駅神戸フルーツフラワーパーク大沢の高山専務をはじめ、国土交通省、神戸市の方々に感謝申し上げます。