4つのグループに分かれ、観光資源の現状を調べました

 森重ゼミは地域の新たな魅力や観光資源を探り、それらを生かした地域再生の可能性をテーマに研究を行っています。毎年、2年次に全員で調査対象の候補地を出して、話し合い、1つに絞り込んだ上で、3年次にフィールドワークを実施しています。8期生となる今年度のゼミ3年生は話し合いの結果、岡山県美咲町を調査対象地に選定しました。
 美咲町は岡山県中部、津山市の南に位置し、「たまごかけごはん発祥の地」をPRしているまちです。しかし、ゼミ生の誰も美咲町に行ったことがなく、「たまごかけごはん」以外にも魅力があるのではないか、そうした魅力を探して美咲町の観光振興を考えたいと考えました。
 そこで、事前に美咲町の観光資源を洗い出した上で、それらの現状を確認するため、6月29~30日の1泊2日で美咲町の現地調査を実施しました。当日の調査にはゼミ生全員が参加し、4つのグループに分かれて調査を行いました。当日の様子について、2回に分けてゼミ生が報告します。今回は旭地区と柵原地区を調査したメンバーの報告です。(森重昌之)

当日のフィールドワークの様子

  • 【旭地区】幻住寺での調査の様子

  • 【旭地区】美咲花山園での調査の様子

  • 【旭地区】まきばの館での調査の様子

  • 【柵原地区】エイコンパークでの調査の様子

  • 【柵原地区】旧柵原駅での調査の様子

  • 【柵原地区】本経寺での調査の様子

参加したゼミ生の報告

事前調査と実際の差が見えたフィールドワーク
 国際観光学部3年 米田善洋

 2019年6月29日(土)~30日(日)、私は森重ゼミの活動で、岡山県美咲町でフィールドワークを行いました。今回の調査は、2回行う予定のフィールドワークのうち、1回目の調査です。
 今回のフィールドワークの目的は、岡山県美咲町が人口減少・高齢化によって過疎化が進んでいるので、観光によって美咲町に人を呼びこむことです。具体的な目標は、「たまごかけご飯以外の観光資源を見つける」というものです。この目標は事前調査で、地元産の卵を使ったたまごかけご飯を提供している「かめっち食堂」しか美咲町の代表する観光資源がないと判断したからです。
 目標達成のためだけでなく、現地に出向いた時、円滑に調査が進められるよう、事前調査は実際のフィールドワークよりも多くの時間を使いました。この事前調査で、私たちは計40ヶ所の観光資源、または観光資源になり得る施設、公園、寺などをリストアップし、4グループに分かれて現地調査を行いました。
 フィールドワーク当日は千里中央駅に集合し、岡山県美咲町に向かいました。現地に到着し、振り分けられた場所に向かっている中で私が初めに思ったことは、主要道路以外に整備されていない道が多く、自動車で向かうことさえ困難な場所があるということでした。過疎化の進んだ地方に出向く機会がほとんどなかった私は、まずその点で衝撃を受けました。特に、それを感じたのは、「小山の棚田」です。
 「小山の棚田」は、農林水産省による「棚田百選」にも選ばれている全国有数の棚田です。個人的には、「棚田百選」に選ばれているというブランドやインターネットの評価から、他の調査対象地より期待していました。しかし、実際は山奥ということもあり、大きな自動車が通れないほど道は狭く、説明看板もないことから、現地に到着しても正確な「小山の棚田」がどこにあるのかわからず、田に水が張ってない箇所もあったため、景色・景観としては必ずしも良いものではないと感じました。
 他の調査対象地に比べ、自動車でのアクセスが簡単で景観もよく、観光資源として使えると思ったのは「興禅寺」です。興禅寺は山の麓にあり、主要道からもあまり外れていないので、自動車でのアクセスが良いと感じました。住職の方にフィールドワークで来ていることを伝えると、「嬉しい、ありがとう」とおっしゃって、快く迎え入れてくださいました。興禅寺は立地もよく、景観は優れており、接客の面でも十分観光地のポテンシャルがあると思いました。
 今回のフィールドワークは、良くも悪くも事前調査と実際の差が見えたフィールドワークでした。まず、インフラの整備が必須であるということを感じました。「小山の棚田」のように、いくら質の高い観光資源があったとしても、行くのが困難であれば評価は下がります。逆に、興禅寺のように固いイメージがある場所でも、立地、景観、接客サービスなどの付加価値があれば、評価が上がると思いました。

実際に体験してわかること
 国際観光学部3年 黒原陸

 6月末に2日間をかけ、岡山県美咲町でフィールドワークを行いました。専門演習の授業が始まってから、フィールドワーク先の調査や観光地の現状、調査する内容や課題などを授業内でしっかりまとめた上で、今回は美咲町内の観光地が現在どのような状態なのかを確認することが目的でした。岡山県美咲町は東西に長く、面積も広いため、美咲町の旧町名で現在でもその呼び名がある「旭地区」、「中央地区」、「柵原地区」の3つの地域ごとのグループに分かれて調査を行いました。
 フィールドワークで実際に美咲町を訪れるにあたり、専門演習の授業内で美咲町について時間をかけて調査をしていきました。中でも、調査をしていく中で多く見つかった、美咲町の特色や課題を整理することに重点を置きました。そして、美咲町がたまごかけごはんの発祥地として知られ、それ以外の食についてもある程度知られているものの、観光地についてはあまり知られていないため、「食以外での観光資源を探す」ことを目標とし、そのために美咲町内に現在ある観光資源を実際に訪れ、活用できる点や改善点などを調査しました。
 私は今回の調査で「旭地区」を訪れました。「旭地区」は10ヶ所ほどの観光資源がありますが、ほとんどが山間部にあるため、自動車がないと訪れにくいところや、目立つ看板などがなく、注視しなければ通り過ぎてしまうところでした。また、山間部にある観光資源は高低の差が激しく、舗装されていない自然のままの道も多くあり、観光資源までの道案内をする看板などもないため、それらが観光客の訪れにくい原因なのではないかと考えました。
 「旭地区」の観光資源の1つである「三休公園民話村」は、日本全国の民話を集めた本が1,000種類ほど展示されており、宿泊することもできる施設です。館内には公民館や市民図書館のような造りをしており、誰でも自由に入ることのできる空間になっていました。宿泊施設は全部で6部屋ほどあり、値段も3,000円と安価で宿泊することが可能でした。また、三休公園には春に多くの桜が咲き誇り、月の形や星の形に見えることや、気象条件が重なれば綺麗な雲海を見ることもでき、利用する人の多くがその様子を撮影しようと訪れているようでした。
 美咲町はたまごかけごはんの発祥地として知られていますが、その伝道師が「岸田吟香」であると言われています。この方は美咲町で生まれ、新聞記者や教育家、実業家としてさまざまな功績を残されてきました。たまごかけごはんの始まりは、岸田吟香が生卵をご飯にかけて食べたからだとされています。岸田吟香記念館は、美咲町文化センターに併設されていて、係の方に一声かけることで見学ができます。館内には、岸田吟香が実際に印刷した新聞や書物など、2,000種類以上が展示されており、吟香の歩んだ歴史を肌で感じることができました。
 実際に美咲町を訪れてみて、私の訪ねた「旭地区」だけでも事前に調べた内容と少し違う点が何点かあったり、それに加えて新しい情報が手に入ったりするなど、調べるだけではわからない内容がたくさんありました。今回の調査で、事前に調査をするだけではわからないことがまだまだたくさんあることを知り、これらを大学の研究でも生かしていきたいと思います。

自然に囲まれた観光資源
 国際観光学部3年 福田英司

 6月29~30日に岡山県美咲町へフィールドワークに行きました。今回のフィールドワークは、美咲町にある観光資源を見ることが目的でした。フィールドワークに行く前、何回も授業で場所を調べ、インターネットで調べることができるものはすべて調べ、ゼミメンバーで共有しました。具体的には、美咲町の観光資源を分類し、評価項目を作成した上で、一覧表にまとめました。
 美咲町は岡山県の真ん中に位置し、山に囲まれた地域となっています。美咲町はとても広い町でしたので、4つのグループに分かれてフィールドワークをしました。授業でも、4つのグループに分かれ、観光資源を調べました。4つのグループは旭地区、中央地区が2つ、柵原地区です。私のグループは旭地区の観光資源を調査しました。その中で、私は「まきばの館」と「幻住寺」について報告します。
 まず、まきばの館は広大な敷地で、さまざまなことができる施設です。大きなゲートを抜けるとレストランがあり、乳製品や豚肉は製造直売の食品で、そこでバーベキューなどの食事ができます。また、売店があるので、軽食や飲み物を購入できます。私は売店で人気のジャンボシュークリームを食べましたが、とてもおいしかったです。レストランの横には小さな川があり、下っていくとアスレチック広場があり、そこでは子どもたちがはしゃいでいました。アスレチック広場から山道を登っていくと展望台があり、まきばの館を見下ろすことができます。敷地はきれいに整備されていて、1周約3キロメートルの遊歩道があります。遊歩道の周りには、ラベンダー園やハーブ園もありました。さらに、うさぎ広場もあり、うさぎに触れ合うことができます。牛の館では、乳しぼり体験ができます。他にも、いろいろな動物の模型を見て楽しむことができ、子ども用の迷路の壁では落書きすることができました。さらに、ドッグランもあるので、まきばの館は人びとにとっても、動物にとっても、解放されているような印象を受けました。
 一方、幻住寺はまきばの館から山を登ったところにあり、駐車場のすぐそばに大きな鳥居がありました。鳥居をくぐると長い階段があり、記憶に残る寺でした。上にたどり着くと大きな鐘があり、毎日鳴っていると書いてありました。庭に入ると本堂があります。幻住寺は山の上にあるので、夏でも涼しく参拝できます。トイレもきれいで、過ごしやすい寺でした。
 この2つの観光資源はどちらも自然に囲まれていて、地元の方だけでなく、遠方からも来られるところでした。今後のゼミ活動でも美咲町の良さを知ってもらえるよう、美咲町のことを考えながら活動していきたいです。

調べた資源と調べていない資源を実感したフィールドワーク
 国際観光学部3年 TRAN THI LOAN

 2019年6月29日(土)、30日(日)、森重ゼミでは岡山県美咲町でたまごかけごはん以外の新しい観光資源を探すことを目的に、フィールドワークを行いました。
 フィールドワークに行く前に、専門演習の授業で美咲町の情報を集めて、事前に調べることと現地でしか調べられないことに分けました。また、美咲町の4つの地区を4つのグループを分け、各グループが担当の地区の詳しい情報を調べました。私のグループは美咲町の旭地区を担当しました。授業では、観光資源の評価項目や写真の撮り方なども決めて、現地で調査する時に決まった内容に基づいて情報を集め、評価することをめざしました。
 フィールドワーク当日は、千里中央駅に集合し、そこから岡山県美咲町へ行きました。岡山県に着いてから各グループに分かれ、現地調査を始めました。ところが、急に旭地区の観光資源を一つ見つかり、まったく知らない美咲花山園のアジサイを追加しました。そこで、事前に決まったスケジュールの通りに進め、真ん中ぐらいに美咲花山園を回るようにしました。
 旭地区のほぼすべての観光資源は山の上にあります。行く道が細く、急に曲がるところが多く危ない感じがしました。行った場所の中でも特に印象を残ったのは、「みち停あさひ」と急に追加した「美咲花山園」でした。美咲花山園は大阪の公園と同じようなところだとイメージしていましたが、思っていたよりとても広い公園でした。20haの広大な山々に椿や桜、つつじ、アジサイなど、季節ごとにさまざまな花がありました。この時期は特にアジサイが咲いています。75種類のアジサイが山の上まで咲いていて、カップルや年配の方々が散歩しながら楽しんでいました。アジサイは日本産のものだけでなく、外国産のアジサイも咲いていて、美咲花山園の特徴になります。ここで事前に情報を調べた観光資源と調べていない観光資源の違いが実際に見てわかりました。調べたところより少し時間がかかりましたが、気持ち良く回りました。
 みち停あさひはただ休憩所と思っていましたが、ここには地元で育てた野菜や果物の直売コーナーや観光案内コーナー、休憩所、足湯なども設置されていました。販売店では店の方がとても親切に説明してくださいました。初めて、美咲町のおもてなしがよいと気づきました。足湯も無料で、4人を同時に入ることができます。すぐ横には図書館や歴史館などもあります。最高の休憩所であったと思います。
 途中の道が危なかったり、道に迷ったりすることなどもありましたが、無事にスケジュール通りに進み、1日目ですべての資源調査を終ることができました。事前に調べないとさまざまなことを見落としてしまいますが、まったく調べてないところは何の準備もないなりに、また違う体験ができるのではないかと思いました。

美咲町の新たな魅力を発見したフィールドワーク
 国際観光学部3年 鐘雪蓉

 6月29~30日の1泊2日で、ゼミのメンバーと一緒に美咲町フィールドワークに行きました。今回のフィールドワークの目的は、「たまごかけごはんの発祥地」である美咲町に実際に行き、自分自身でその町の魅力を感じ、たまごかけごはん以外の魅力を見つけることです。私はここでいろいろなところを見学し、実際の体験からたくさんのことを感じました。その中で、特に印象を残ったものは、「やさい畑」と「吉ヶ原駅」の2つです。そこで、以下では主にこれらの場所を紹介しよます。
 「やさい畑」は小規模の野菜市場です。ここで売っている野菜は、新鮮かつ特別に安いものです。そもそも、野菜市場は生活の息吹が満ちているところのように感じます。なぜなら、私たちの食生活とつながり、町民の素朴な生活の様子を反映しているだからです。私は野菜市場に特別な感情を持っています。野菜市場からあふれる普段の生活の様子を通じて、この町の本当の姿を感じることができるので、新しいところに行くたびに、私は特に地元の野菜市場を見物することが好きです。「やさい畑」に関心を持った理由もここにあります。そして、今回の調査を通じて、私は美咲町が本当に住みやすいところだと思いました。
 一方、「吉ヶ原駅」は廃線となった片上鉄道の駅です。現在は、「柵原ふれあい鉱山公園」となっています。日本のドラマを見たことがある方であれば、日本式の駅をよくご存じでしょうか。確かに、日本のマンガやドラマの中で、駅のシーンがよく出てきます。今回紹介した「吉ヶ原駅」もレトロな雰囲気であり、映画やドラマなどの撮影にもよく使われているロケ地です。最近では、福山雅治とチャン・ハンユー主演、ジョン・ウー監督の映画「マンハント」の中で、「吉ヶ原駅」のシーンがあります。また、この駅には他にも特別な見どころがあります。片上鉄道は全線が廃止されましたが、今でも保存されている車両が毎月第一日曜日に展示運転を行っています。しかも、駅長はネコのようであり、本当に興味深いです。そのため、有名な観光地としても、地域の特色を表すものとしても、有名な文化遺産としても、ここはお勧めだと思います。
 今回の調査を通じて、私はいろいろなことを学びました。美咲町に行く前、私たちはウェブサイトでこの町について詳しく調べました。美咲町に到着した後、私たちは4つのグループに分かれて調査しました。たくさんの成果を得ることもできました。今回の調査は、確かに貴重な学習機会になりました。

観光資源の調査と美咲町の人びと
 国際観光学部3年 松下綾里

 6月29~30日の2日間を利用し、岡山県美咲町でフィールドワークを行いました。美咲町はたまごかけごはんの発祥の地であり、卵の黄色と幸せを組み合わせて「黄福物語」というテーマで町をアピールしています。しかし、実際に知名度は低く、隣の津山市に比べると観光客は少ないです。そこで、たまごかけごはん以外にアピールできる観光資源はないかという課題を設定しました。今回は観光資源を実際に見に行き、どのような場所なのか詳しく調べるために美咲町へ行きました。
 現地に行くまでに事前調査として、まず美咲町はどのような資源があるのかを調べました。美咲町は旭町、柵原町、中央町という3つの町が合併してできた町です。調べる時には、3つのチームに分かれて調査を分担しました。私たちは柵原町を担当しました。柵原町の主な観光資源として鉱山公園や廃駅などがありますが、今回私が担当したのは本経寺とエイコンパークです。
 本経寺は岡山県の重要文化財に指定された寺です。安土桃山時代の遺構を残した入母屋造りで、正面に向拝のついた建物となっていました。調査をしていた時、本堂の正面扉が閉まっていたのですが、特別に扉を開けていただきました。本経寺は質素な外見ですが、本堂の扉の奥には金色の豪華な天蓋が飾られ、圧倒されました。細かい飾りがいくつも連なり、色彩も鮮やかでした。また、本堂の天井や外陣の壁画には天女が舞っている姿が描かれており、蛙股も優雅な曲線で、鳥や動物の丸彫りが組み込まれていました。境内には大きな鐘楼があり、実際に鳴らすことができたので、体験させていただきました。
 次に、エイコンパークへ行きました。エイコンパークは図書館がある文化ゾーン、スポーツをするための交流ゾーン、遊歩道の遊びゾーン、福祉施設がある福祉ゾーンに分かれています。調査日には交流ゾーンのエイコンスタジアムで、野球部が練習していました。図書館では本の貸し借りだけでなく、美咲町でのイベント情報などが掲示板に掲載されていました。また、子ども向けのイベントが月に1度あり、6月は絵本を使ってエコバックを作製したそうです。館内では、親子が一緒に本を読みながら休日を過ごす様子を見ることができました。
 本経寺やエイコンパークの図書館には、子どもたち用のイベントがあることがわかりました。本経寺では1日寺修行やお稚児行列、エイコンパークでは子ども向けの映画上映会やワークショップが開催されています。また、本経寺の前で子どもたちがサッカーをしながら楽しんでいました。少子高齢化で悩む美咲町ですが、子ども向けの観光資源などを探していくことも可能ではないかと感じました。現地に行ったとき、本経寺の住職さんは「美咲町、何にもないところでしょう」とおっしゃっていましたが、私は何もないとは思いません。
 美咲町には、エイコンパークのように広いスペースがたくさんあります。柵原町以外で例をあげると、まきばの館や鉱山公園などがあります。広場は人との交流ができる場所だと考えています。新たに観光資源を見つけることも必要です。しかし、ただ資源を見つけるだけでなく、少子高齢化が進んできている美咲町では、人とのつながりを強めていくことも必要だと感じました。新たな観光資源を発掘し、美咲町の方が少しでも観光に興味をもっていただけるよう、これから活動していきたいです。

観光地としての美咲町の現状
 国際観光学部3年生 田路和耀

 6月29日、30日にフィールドワークとして、私たちは岡山県美咲町に訪れました。フィールドワークの目的は、観光客を増やすために観光資源を探し、それが観光資源として活用できるのか調査することです。
 まず、ゼミの授業で美咲町の観光資源になりそうな場所を探し、どのようなことを調査するかなどを決めました。グループに分かれて交通アクセスや概要などを調べました。私は最初、何もない場所だと思っていましたが、事前調査をしていくと、意外に観光資源になりそう場所があると思いました。そして、フィールドワーク当日、途中までは全員で移動し、その後各グループに分かれて美咲町へ向かいました。
 調査して思ったことは、とても田舎だと思いました。どこに行っても周りは山だらけで、工事しているのかどうかよくわからない道路がいくつもあり、少し交通面で不便なところがあると思いました。調査箇所の一つに「さつき天文台」というところがありました。そこは交通アクセスが非常に悪く、山道を登り、そこからさらに急な坂を登って天文台へ行くのですが、その道も狭く、非常に危ないと思いました。団体で予約もできるようですが、バスなどは通れない道でしたので、予約しても行けないと思いました。天文台の横にある施設のようなところには、ゴミが散乱していて非常に汚く、観光地と呼べるものではありませんでした。人が掃除などしている様子もなく、少しもったいないと思いました。観光地になるかどうかに関係なく、しっかり掃除しなければいけないと感じました。今回は夜に行っていないので、夜になればまた違う感じなのもしれませんが、それでも交通アクセスやゴミの散らかり方を見る限り、観光地とは呼べるものではありませんでした。
 次に、鉱山公園という場所に行きました。ここは昔のレトロな様子を感じられる施設になっており、鉱山へ向かうエレベータなどを体験できました。すぐ横に吉ヶ原駅という、今は使われていない駅があり、映画やドラマなどのロケ地になっていて、観光客も少し訪れていたので、ここは観光資源になりそうだと思いました。しかし、駐車場が従業員専用しかなく、一般用の駐車場がなかったので、整備した方がよいと感じました。
 今回のフィールドワークでは、事前調査をしてから行きましたが、交通アクセスや場所など、もっと正確に調べないといけないと思いました。危ない道を通ったり、場所がわからなかったりするところがあったので、9月のフィールドワークまでに改善した方が今回よりもやりやすくなると思います。また、今回調査した以外の場所で観光資源になりそうな場所があれば、それらも調べていきたいと思います。

柵原地区を見て得られたもの
 国際観光学部3年 岡大地

 私たち森重ゼミは6月29日、30日を通して、岡山県久米郡美咲町に「食以外の観光資源を見つける」をテーマに、フィールドワークを行いました。内容は、食以外の観光資源が何もないと思われているモノから価値を見出し、高めるというものです。初めて訪れる地域であるため、その地について詳しく調べることから始めました。このフィールドワークに臨むために、私たちは事前学習として美咲町を旭地区、中央地区1、中央地区2、柵原地区の4つに分け、各チームで観光資源について調査をしました。各チームが用いた資料をまとめると、美咲町には40個以上もの観光資源があり、うまく活用できていないという印象でした。そこで、私たちは実際に現地に行き、各観光資源の実態について調べました。
 まず、美咲町についた時の最初の印象は「田舎」でした。私は美咲町の柵原地区の担当でしたので、柵原地区を多く見て回りました。柵原地区の観光地の中で、私が特に印象に残っている2つに注目して書こうと思います。
 1つ目に鉱山公園です。ここには、鉱山の発掘が栄えていた柵原の歴史を振り返ることのできる施設と公園がありました。施設内には、鉱山の発掘が栄えていた頃の柵原地区の暮らし方や町並み、鉱山発掘の情景が模型やパネルで再現されており、鉱山が主要産業だった時代を感じ取ることのできる施設になっていました。公園内には廃線になった駅や車両が当時のままに展示されており、映画のロケ地でも使われるほどの写真映えスポットでした。鉱山公園を通して、魅力的な観光資源があるのにマーケティングができておらず、知名度が低いため、観光客が少ないのではないかと思いました。
 2つ目のさつき天文台は、すでに観光資源として機能していないのにもかかわらず、観光資源とされていたものでした。山道を30分ほど進んだところにあるこの施設は、見たところ10年以上人の手が加えられておらず、荒れ果てており、肝心の星を見るという目的も果たせそうにありませんでした。この観光地からわかったことは、観光地には人が必要不可欠であることです。観光資源として盛り立てるためにも、維持するためにも、人が手を加える必要があり、人の存在が観光資源の魅力を高めていることがわかりました。
 今回のフィールドワークを通じて、岡山県美咲町には観光資源がありますが、1つ1つは弱い力であり、何かと組み合わせる必要があるということです。隣の津山市には趣があるカフェや雑貨店や数多くあり、そこと連携した観光ルートをつくることで、双方の良さを出せるものになるように感じました。次の9月にあるフィールドワークでは、今回発見した問題点と解決案を意識し、改善できるように取り組もうと思います。