昨年9月からカナダ・ウィニペグ大学に4ヶ月間留学した後、バンクーバーのホテルで海外インターンシップに取り組んでいた森重ゼミ3年生の久保田萌子さんが約1年間の留学生活を終え、8月に帰国しました。留学期間中、久保田さんには毎月ウィニペグ大学での学びや生活の様子、ホテルインターンシップでの体験などを報告してもらいました。今回は最後の報告ということで、留学中の1年間で学んだことや成長の様子などを振り返って、レポートを作成してもらいました。合わせて、今後留学や海外インターンシップを考えている学生に向けたメッセージも書いてもらいました。彼女の成長の様子を参考にしながら、ぜひ多くの学生に留学を経験してもらいたいと思います。（森重昌之）

　私が1年間カナダで留学することを決めた理由は、休学することなく海外のホテルでインターンシップができることを知ったからです。今では新しいことに挑戦して良かったと、心から思っています。
　まず、ウィニペグ大学では4ヶ月間同じクラスメイトと授業を受け、たくさんの友人ができました。留学を始めてから1ヶ月ほどで英語を聴くことに違和感がなくなりましたが、クラスメイトとスムーズに会話ができるようになるには、3〜4ヶ月かかりました。現地の人との会話を十分理解するには、まだまだ勉強と時間が必要だと思います。例えば、英語には「どちらでも良い」という表現がなく、YesかNoをはっきり言わなければいけません。ホストファミリーや友人と会話する中で、遠回しではなく、直接的に話す人が多いように感じました。私は少し優柔不断なところがあったのですが、留学を通して少し改善されたように思います。
　インターンシップを始めるにあたり、履歴書を作成し、面接を受けました。履歴書の作成方法は日本とまったく異なっていました。履歴書のフォームはなく、最初からパソコンで作成します。顔写真や年齢、性別を記入する必要はなく、学歴や職歴、ボランティア歴、資格、自己PRなど、自分のアピールポイントだと思う順に並べます。
　私がインターンを行ったのは、バンクーバーのダウンタウンにあるビジネス、観光客のどちらにも利用される130室ほどあるホテルです。4つの部署で研修できたことで、それぞれの部署で働く人は具体的にどのような仕事をするのか、どのようにつながり、連絡を取り合っているのかなど、自分の目で見て雰囲気を感じることができました。例えば、ハウスキーピング部門の場合、フロントから「お客様がチェックアウトされた」と電話があると、その部屋から順番に清掃を始めることができます。ビジネスミーティングがある時にはバンケット、キッチンのマネージャー同士、マネージャーとスタッフが常にコミュニケーションを取り合い、必要な時に出来たての一番美味しい食事を提供できるようにします。フロント業務の時には、チェックインやチェックアウト、観光案内、電話応対、貴重品の管理など、スタッフ1人1人の責任がかなり重く、苦労しました。さまざまなシチュエーションに対応できないことが多く、語学力もホテルで勤務するにはまったく足りないことを実感しました。このホテルで働くスタッフは、フレンドリーな方ばかりでした。私がインターン生としてホテルマネジメントについて学んでいることを知って、多くのスタッフがそれぞれの業務を説明してくださったほか、バンケット部門にいた時には出張サービスのウェディングパーティにお手伝いとして連れて行っていただきました。貴重な体験ができたと思います。
　留学の1年を通して、私は周りの人びとにとても恵まれていたと思いました。英語力はもちろん、さまざまな経験や文化を持つ人びとからいろいろな生き方を学びました。自分だけの1つの価値観にとらわれず、どのような環境に生きる人びとともお互いに受け入れあっていければ良いと感じました。また、就職活動を含め、将来どのようにしたいのかについて、具体的に前向きに考えることができたと思います。今後は身に着いた英語力をさらに伸ばせるよう、そして1年間お世話になった人びとに再会した時に良い報告ができるよう、努力を続けていきます。

〈留学に興味がある方へ〉
　I’ve been impressed with everything I experienced for the first time and learned a lot from different cultures. That really helped me to think deeper about others and myself. I’d like to suggest you try something you have never tried, if you got even a little interest. I’m sure it’ll be very nice, if you just try it!