インカレねむろ・大学等研究プロジェクト研究発表会で準優勝しました

準優勝に相当する「大地みらい信用金庫理事長賞」を受賞しました

 国際観光学部の1〜3年生有志8名は、昨年10月から北海道標津町をフィールドに、「謎解き観光マップ」の作成に取り組んでいます。これは昨年度実施した標津町でのプロジェクトにおいて課題の1つにあげた、個人観光客を受け入れるためのしくみを具現化するための調査研究です。
 1月23日(土)、北海道別海町においてインカレねむろ・大学等研究プロジェクト2015研究発表会が開かれ、「標津町の新たな魅力発見に向けた謎解き観光マップの提案」と題する研究成果を発表しました。研究発表会には、北海道根室振興局管内で調査研究を行っている11大学のうち5大学が参加し、準優勝に相当する「大地みらい信用金庫理事長賞」を受賞できました。会場には、現地調査でお世話になった標津町の方々もたくさんお越しくださり、標津町の皆さまの前で受賞でき、メンバーもとても喜んでいました。研究発表会終了後には、標津町の皆さまと祝勝会を兼ねた懇親会を行い、夜遅くまで交流を深めました。
 以下で、参加したメンバーが当日の様子を報告します。(森重昌之)

当日の発表の様子

  • 毎週遅くまで残っての発表準備の様子

  • 研究発表の様子

  • 研究発表の様子

  • 研究発表の様子

  • 授賞式の様子

  • 応援に来てくださった標津町の皆さまと記念撮影

※関連記事

参加したメンバーの報告

2年間の研究が残した結果
 国際観光学部2年 栗田真衣

 私は1月22日から25日まで2回目となる標津町を訪れ、昨年行った現地調査の情報などをもとに、「謎解き観光マップ」を作成してきました。今回はその研究成果の発表と町民の方々への提案を行いました。前回とは違う新しい発見、町民の方々の温かさを改めて実感しました。
 1日目はインカレねむろ研究プロジェクト研究発表会に参加しました。はじめはこの研究発表会に参加するかどうか悩みましたが、昨年度先輩方が惜しくも入賞を逃したこともあり、再挑戦ということで参加を決めました。謎解き観光マップの作成、町民の方へ提案する発表用資料の作成、そして研究発表会用のパワーポイント資料の作成を同時進行しており、間に合うかどうか不安でした。毎週ミーティングを重ね、研究発表会当日の朝にリハーサルで最終確認を行いました。私自身、人前での発表に慣れておらず、会場への移動中もとても緊張していました。
 発表中は標津町の方々が見守って下さり、審査員の方や会場の反応も良いように感じ、安心しました。また、授賞式では「大地みらい信用金庫理事長賞」で阪南大学の名前が呼ばれ、驚きと嬉しさがありました。しかし、この賞を受賞することができたのは標津町の方々や森重先生のご協力はもちろん、先輩方がつくり上げてきてくださった結果だと身を持って感じています。本当にありがとうございました。
 今回のプロジェクトでは、3年生に引っ張ってもらってばかりでしたが、私たち2年生が責任を持って謎解き観光マップの実現に向けてリードをしていかなければいけないと自覚を持つようになりました。研究発表会が終わると標津町で懇親会を開いていただき、今回の研究プロジェクトの話題を中心に大いに盛り上がりました。このマップは私たちが実際に観光客として訪れた観光地を、ゲスト側の意見を中心に取り入れて作成しました。そこにホスト側である標津町の方々から、アドバイスや率直な意見をたくさんいただくことができました。同時に、標津町の方々が私たちに期待して下さっていることを改めて感じ、そのご期待に応えられるように気を引き締めていきたいと思いました。私たち自身も手応えを感じ始め、完成がとても待ち遠しく感じています。
 私は何度標津町を訪れても、やはり真っ直ぐ続く道、その両端に広がる広大な牧場、何よりも個性豊かな町民の方々の温かさが一番の観光資源であるとともに、標津町の最大の魅力であると感じています。昨年10月とはまた景色が変わっていたことも印象的です。今年度このプロジェクトに参加させていただき、このような貴重な経験をさせていただき、本当にありがとうございます。これからも標津町の方々と協力して謎解き観光マップを実現させ、交流を深めていきたいと思います。

標津町の新たな魅力発信と観光謎解きマップの効果
 国際観光学部3年 榊原知恵

 昨年のインカレねむろ研究発表会では、個人観光客を受け入れるための必要な組織体制について提案させていただきました。昨年の研究に基づいて、標津町の魅力と課題をどう生かしていけるかについて話し合いを進めていく中で、観光マップに焦点を当てました。ホスピタリティ溢れる住民の魅力を生かして交流機会を増やすことと、兼任ガイドの負担の軽減という課題の解決方法に向け、両方をうまく組み合わせたのが謎解き観光マップです。従来の観光マップに謎解きという要素を加えることで、文化資源や歴史建造物などの学びの機会が増え、楽しむ幅を広げることができます。難易度マークに標津町のシンボルである鮭を起用したり、牧場の魅力を感じてもらうために牛のイラストを起用したりすることで、地元住民や観光客にも親しみを感じてもらうことができます。また、観光ガイドやインターネットを検索してすぐに答えが見つかるのではおもしろみに欠けるため、地域の伝統やイベントなど、地元住民しか知らない答えを用意し、地域の方々との交流機会を図ることができます。そして、ひとつひとつの観光資源のインパクトや価値を高めることができます。さらに、歴史好きな観光客や子ども連れの家族、私たちのような学生などもターゲットに呼び込むことできると考えました。
 個人観光客がマップを見ながら自由に町内を楽しむことができれば、急な個人観光客の受け入れ問題を軽減することもできると考えられます。このように多くの効果が期待できるだけでなく、観光客と地域住民が触れ合うきっかけをつくることで、「私たちの町は観光産業に力を入れているのだ」とより意識してもらえるのではないかと感じます。観光まちづくりを進めていくには、ただ観光客の増加や地域経済への効果だけに注目するのではなく、地域住民に自分の町の産業を誇りに感じ、今まで以上に生まれ育った町への愛情が高まることが重要で、観光産業を町全体で盛り上げていくという協力体制が強まる可能性があります。私自身ずっと育ってきた町という内側でいるときには気づくことができなかった地元の魅力を、外側に出ている今、周囲の人びとに気づかされ、教えていただくことが多くあります。普段見ているものが観光客にとっては非日常であり、価値が高いものと捉えられます。そのような気づきという一歩が、観光産業を進めていく上で大切なものだと思いました。今後は季節別やターゲット別など種類を増やすことや、マップの活用に向けた具体的な工夫、マップの存在をどう広めていくかなどの課題解決に向けて研究を進めていきたいと考えています。
 別海町で行われたインカレねむろ・大学等研究プロジェクト2015にて準優勝することができました。多大なご協力をいただいた標津町の皆さまやご指導くださった森重准教授、昨年ともに研究に励んできたメンバーや今回新たに加わった後輩たちに感謝の意を示したいと思います。本当にありがとうございました。発表会後、標津町に戻り、夜遅くまで親睦会を楽しみました。いつも家族のように迎え入れてくださる標津町の温かい皆様に心より感謝申し上げます。

標津町の温かさに触れて
 国際観光学部1年 井上佑太

 1月23日、北海道別海町で行われたインカレねむろ研究発表会に参加しました。今回は北海道内・道外の大学合わせ、5大学が発表を行いました。私たちは「標津町の新たな魅力発見に向けた謎解き観光マップの提案」について発表しました。
 個人観光客を呼び込みたい標津町ですが、ありきたりな観光マップでは観光客に満足してもらえないと思い、謎解きの要素を入れたマップをつくることにしました。発表するにあたって、昨年10月に現地調査で得た情報の中から謎解き観光マップに使える資源を選び、そこから問題をつくりました。マップの作成は試行錯誤を重ねた結果、晴れの日と雨の日では内容が変わってくるので、2種類のマップを作成しました。マップの中には、謎解きを楽しんでもらうため、難易度のマークを標津町のシンボルであるサケにするなど、細かいところにまで工夫しました。
 当日の発表は先輩方が行い、私たち1年生はステージ裏で聞いていましたが。わかりやく発表を行ってくれました。審査員の質問にもすぐに対応していた点が私との違いでした。その結果、準優勝である「大地みらい信用金庫理事長賞」を受賞することができました。しかし、審査員の方にもまだ改良が必要であると言われました。今回はテーマを晴れの日と雨の日だけでしたが、他にも季節ごとや歴史好き、ファミリー向けに分けてはどうかといったご指摘をいただきました。これからの改善点であるので、継続して謎解きマップを完成させていきたいです。
 発表会の後は標津町の人に歓迎会を開いていただきました。おいしい料理を用意してくださり、皆さんから「おめでとう」と言っていただきました。謎解きマップが完成したら、現地調査の時にも多くの助言をいただいた標津町の皆さんに、ぜひとも使っていただきたいです。翌日には、標津町の皆さんに謎解き観光マップの提案をしました。そこでも評価していただけた一方、課題も多く出てきました。これから改善していき、完成させたいです。
 今回の活動を通して、最初は「標津」の漢字も読めませんでしたが、現地調査を通して現地の人とかかわりを持つことで、標津町の魅力を教えてもらうことができました。昨年の現地調査、そして今回のインカレねむろの発表でも標津町の皆さんの協力がなければ、ここまでやってくることはできませんでした。標津町の皆さんに納得していただけるよう、マップを完成させたいと思います。標津町の方々には心温まるおもてなしをしていただき、本当にありがとうございました。また標津町のプロジェクトの時には絶対に行きます。

努力が認められたプロジェクトの発表
 国際観光学部2年 山内菜美子

 1月22日から25日にかけて、謎解き観光マップの提案を発表するため、標津町を訪れました。昨年度に引き続いてインカレねむろプロジェクトに参加し、1月23日には別海町での研究発表会に参加しました。昨年度は、標津町に個人観光客を受け入れるためのしくみについての提案を発表し、奨励賞を受賞しました。
 昨年10月に行った現地調査では、目立った観光資源は少ないのですが、小さな観光資源がたくさんあることがわかりました。ひとつひとつの観光資源は小さくても、謎解き観光マップの素材として取り入れることで、その観光資源の価値が高まると考え、謎解き観光マップの作成に至りました。マップは晴れの日用と雨の日用に分け、天気が良い時にお勧めの場所、雨が降っても魅力的な場所と、天候に左右されずに楽しめるよう考えました。そして、マップのタイトルには、晴れの日用では「日本にいても異国気分!モ〜っと標津を知らないかい?」、雨の日用では「雨がしたたるいい標津」と、見ただけで手に取ってもらえるよう、インパクトのあるタイトルにしました。マップの細部にもこだわり、広大な牧場をイメージしてもらえるよう牛のイラストや、標津町のシンボルであるサケを難易度のマークとして取り入れました。町内での祭りや鮭飯寿司の試食会など、イベント情報や謎解きの問題以外の観光資源の情報、飲食店の情報などもマップに取り入れました。さらに、標津町はホスピタリティが高いことが今までの現地調査で一番に感じたことでしたので、町民に質問しないとわからないような問題も取り入れました。町民と話すきっかけをつくることで、個人観光客の方にも標津町民のホスピタリティを実感してもらえると考えました。標津町民の皆さまもそのような機会が得られることで、町が観光産業に力を入れていることを意識してもらえると思います。それは、観光客だけでなく、地域や町内にもメリットがあるといえます。
 このような工夫を重ね、マップを作成し、研究発表を行った結果、今年は「大地みらい信用金庫理事長賞」を受賞できました。これまでの活動の成果が、このような結果として残せたのだと感じました。私たちの努力だけでなく、現地調査で訪れる度に温かく向かい入れていただいた標津町の方々や、昨年度一緒に活動した先輩方、遅くまで一緒に残っていただいた森重先生のご協力があってこその今回の受賞だと考えています。今回提案したマップが、実際に標津町内に置いてもらえるよう、問題点を改善し、さらに町の魅力が伝わるマップに仕上がるよう努めます。