松原市の市議会議員をつとめる篠本雄嗣(ささもとゆうじ)さんのご協力のもと、ひまわりの種まきをしました。篠本さんは、ご自身の田んぼや畑を開放し、幼稚園児や保育園児と一緒に田植えや稲刈り、小麦の栽培やイチゴ、ジャガイモ、サツマイモの収穫体験をするなどの活動をおこなっております。国際観光学部の活動にもご理解を頂き、これまでうちのゼミでも何度か田植えに参加させてもらってきました。
 ただ、今年の6月は緊急事態宣言が発令されておりました。大学は遠隔授業が続いており、課外活動もできない状態でした。コロナ禍でも何かやれないか。ひまわりの種でも植えたら明るい気分にでもなるだろう。あわせて、園児との交流がはかれると、篠本さんはわれわれに声をかけてくれました。それで、緊急事態宣言があけた2021年7月20日にゼミの3年生・4年生と一緒にひまわりの種まきをしました。
 7月は梅雨末期の天候不順で一度延期となり、雨がやんだあとも畑の足場が悪く、どうするかとなりました。このため、当初予定していた幼稚園児や保育園児とのコラボはできず、学生だけで植えることになりました。
当日は炎天下のなか、学生11人が参加しました。
  • 篠本さんと学生たち

学生たちは、篠本さんの説明を聞き、2手に分かれて作業に移りました。まず、草むしりをする班は手で雑草を根こそぎ抜きました。
  • 草をむしる

根は深くはないのですが、数が多いので、大変でした。次に種をまく班はスコップで穴を掘り、そのなかに種を植えてゆきました。
  • 種をまく

 今年は雀が大量発生しているそうで、植えたそばから種を食べてしまうのだそうです。ただ、自然発生的に増えたのではなく、たまたま今年は種を見つけた雀が仲間を呼んだことで、かなりの雀が飛んできて、種を食べたようです。
 種まきは、1時間程度で終えました。
  • 作業が終わって

終了後、先に育てたひまわりが大輪の花を咲かせており、学生たちはおみやげに何本かもらって帰りました。学部の事務室にも研究室にもしばらくは黄色い花が咲いておりました。
  • 事務室に飾ったひまわり

ひまわりは種をまいて55日後に開花します。9月3日、われわれが植えたひまわりが咲いたとの報告が入り、見に行ってきました。
たしかに写真で見ると、可憐に咲いておりました。ただ、気がかりなのは、畑の一角にまばらに咲いたことです。おそらく、これも雀のせいなのでしょう。また、篠本さんによると、気候や気温の問題、つまり種まきの時期が遅かったのも大きな要因かとのことです。
 どんなに便利な世の中になっても、自然には勝てません。学生たちは、ゼミの活動のためにバイトの都合をつけるのが大変だ、大学生はいろいろと忙しいのだと、よくこぼします。でも、農業は人間の都合よりも、自然の都合が優先される世界です。一生懸命作業をしても、鳥や獣に収穫物を取っていかれたり、台風や大雨で作柄が左右される理不尽なこともあります。われわれが食べるものは、そうやって農家の方々が自然と関わりながら作ったものであることを、学生たちには農家の人たちから学んで欲しいと思います。

国際観光学部 渡辺和之