経済学部3年 木村 祐輔 さん

 私がこのインターンシップに参加した目的は将来起業したいという理由にあった。日本は少子高齢化が進む中、ベトナムでは80%以上が25歳以下という社会状況、並びに発展途上であり、急速な成長がある国でのインターンシップという事で参加した。現地に到着後、自分は日本人が経営するメディア事業に力を入れている会社に派遣された。ベトナムでは現在、日本のタウンワークのような求人誌はほとんどなく、さらには転職率も高めであり尚且つ若い年齢層が多いのをターゲットにし、大学生向けに求人広告を出してその掲載料を頂くというのが今回の主なインターンでの仕事だった。そこの会社に初めて行った時のことを鮮明に覚えている。ここのインターンシップ先には私のほかに、福岡の某有名私立大学2回生の人と一緒に派遣された。その人は私より遥かに勉強ができ、また、気が利く人なので劣等感を覚えた。だが、それこそが私のいい刺激となった。自己紹介の時、社長以外はベトナム人であった為英語での自己紹介となり、私は英語がそこまで得意ではないのでかなり焦った。だが、幸いなことに英語には興味が有り、なるべく使っていきたいと思っていたため、その焦りが努力をしようという決意にかわった。
 ここで学んだのは、全体を把握することが第一で何を目的にしているのかという事が大事になるという事だった。上記に書いたように私は英語がそんなに得意ではない、だが自分に与えられた任務は英語のニュースページを日本語に翻訳して掲載する事だった。最初は、中学や高校で学んだ通りそれを正確に直訳する事に努めた。だが、それはかなり時間のかかる作業で、社長はそのような物を求めてはいなかった。私は、この業務が何を目的にしているのかを把握していなかった。実は、このニュースはベトナムの情報ばかりを日本人向けに掲載しているもので、早い話が大方の内容を伝えられるのであれば、少々自分で分かり易いようにアレンジをしても構わなかった。しかも、自分で辞書を引いて文法を調べるなんて誰も求めていない。なので、Google翻訳を頼り、それを自分なりに見やすくするのが求めていた答えだった。つまり、全体像が最初に分かっていなかったのだ。次に、求人広告を載せてくれる会社を探す任務に出た。英語か、日本人経営者の人が相手なら日本語で自社の製品を紹介するものであったのだが、自分が回った先ではほとんどがベトナム人で日本語が通じない人が相手だった。最初は自社のベトナム人スタッフと一緒に回り、その行動をよく見て学ぼうとした。それは私が考えていたものと少し違っていた。私は、持っている情報をすべて正確に伝えるべきなのだと思っていたが、ベトナム人スタッフ曰く、自己紹介をして会社概要の冊子をわたし、簡単に説明をして名刺交換をしたら次に回るようにとの事だった。興味が無い相手に深入りをするのではなくて、興味がある人を見分けてその人に正確にきっちり説明する事が大切だと言っていた。この際私は、英語で全て話す事は苦手なので自分である程度のマニュアルを作成し、それをお守り代わりに持っていき困った時はそれを見るようにした。肝心な事は興味を持ってもらうことで、100%の英語で話す事では無かった。こうして全体像を見て何が目的で何をしたいのかをはっきりさせるという事をこのインターンシップで学べたものの一つである。
 これまでは、会社で学んだことなので少し文化の違いも紹介する。ベトナムに到着して最初にかなりの印象だったのが、バイクの多さである。日本とは日にならないぐらいのバイクの文化である。しかし、走っているのはほぼ日本製のバイクであった。また、日本ほど道交法は厳しく無く、もはや無いに等しいらしい。自分は今回で1回当て逃げされてタクシーでひき逃げにあった。だが、悪い人たちばかりではない。冷たい人も少なくは無いが、温かい人は日本以上に居る気もした。到着して間もない頃に語学学校の生徒さんとの交流会が有った。そこでは自分たちと同世代位の学生が凄く目を輝かせながら、流ちょうな日本語を話していた。何と、半年で普通の会話ができる程迄勉強をしたという。日本人は、10年以上英語が話せない人が多いのに半年でかなりの努力をしていると知った時は驚いた。だが、彼等と話して分かったのは、努力して日本に夢を持って旅立つ。だが、待っているのは最低賃金での労働等が少なくはない。彼等は今の日本人には無い魅力が沢山有るのに、行きつく先が自分自身納得いかないと思ったのもまた事実だった。自分が起業するとき、それを解消する事が自分にできる事だろうと感じた。ベトナムで学んだことはたくさんあった。また、近いうちにベトナムに行くことを彼らに約束した。

経済学部 3年生 岡崎 維也 さん

 今回ベトナムの地で1か月間インターンシップを経験してきました。さすがに海外ということもあり、コミュニケーションの点でとても苦労しました。今回のインターンシップで語学力の必要性を実感しました。また、働くということを実感して、責任感を持つことを多少なりとも感じました。
 今回のインターンシップの中心となった業務はアンケート回収でした。アンケート回収をお願いのためのテレアポをしていました。テレアポをする前に、同じオフィスビルにある企業さんに練習ということで訪問させてもらいました。そこで言われたのは「日本よりやりやすいけど、断られて当たり前」ということでした。その話を聞いてほんとにアポがとれるか不安な気持ちになりました。実際に行ってみるとまず英語が話せないので、出てもらえたベトナム人に自分の言いたいことが言えずに何回も切られました。何日もアポが取れずにひたすら電話をかける日々が続きました。断られるとわかっていても、断られ続けるのは精神的にきつかったです。ですが社長のお知り合いの方をはじめ多くの方にテレアポのアドバイスをしていただき、中盤から少しずつアポが取れるようになりました。いただいたアドバイスの内容としては、変にきれいに言おうとするよりも、自分の気持ちをぶつけるようにと言われました。そのアドバイスを活かすために自分が本当に伝えたいことをキーワードでまとめ、会う前提で電話をかけるようにしました。そのように変更したら電話でもコミュニケーションが取れるようになりました。テレアポは基本断られるので精神的にきついですが、どのように変化させたら相手に話を聞いてもらえるかなどを考えている時が僕は楽しいと感じました。
 アンケート回収は企業に訪問して書いてもらうようになっていました。訪問した企業さんとはアンケートのお願いということで営業の話は特にしませんでした。訪問時にお話しの内容としては、インターンシップの状況、就職活動、ベトナムでの生活などが中心でした。訪問した企業の方が本当に親切な方が多く、テレアポで悩んでいるといえば今のやり方の改善点を教えてもらえました。また知り合いの企業の方を紹介していただきました。多くの方にインターンシップという立場なので、いい思いしてほしいと言ってもらえました。このようなことを言ってもらえて、支えられていると強く実感しました。中には会った人すべてがお客様と言っていた方もいました。この方はお客様だから大切にしなくてはいけないと考えていて、本当に親切でこのような人になりたいと思える人でした。
 最後の1週間でWebサイトのレイアウトを行いました。レイアウトを実際に行ってみて、見た人に興味を持たせるということが本当に難しかったです。例えば社員の対談を入れたほうがいいのか、写真をどのくらい入れたいいのか考えていて頭が痛くなりました。そのためレイアウトの参考にと多くの企業のサイトを見ました。見ていてその会社の特徴を活かしたサイトになっていて見ていて面白いと思える企業がありました。そのような企業はやはりもっと詳しく知りたいと思うので、Webサイトだけでも人を呼び込むのは可能ではないかと思いました。今回僕はそのような面白いと思ったサイトのコンテンツを利用する形にしましたが、やはり自分で考えたコンテンツを入れたいという気持ちが出てきました。ですが中々コンテンツが思い浮かびませんでした。何かを作るという大変さを肌に感じました。僕はコンテンツだけでしたが、会社の人はデザイン、運用と最後までやっているのでレイアウトで精一杯の僕との差がこれかと思いました。
 1か月で働くことの大変さ肌で実感しました。今回はインターンシップということで厳しいノルマなどは課されませんでしたが、社員として働くならば課されると思います。そのノルマをこなしていかなくては自分の居場所はないと思うと、恐ろしい世界に踏み入れようとしていると感じました。ですがまだ学生で卒業まで約1年半あるので準備できる時間があります。アルバイトやゼミ活動で差を埋めることはできると思うので、時間を無駄にせずどう活かすか考えていきたいです。

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