町民の皆さまから前向きなご意見をたくさんいただきました

 2月16日、国際観光学部学生有志12名が北海道標津町での現地調査の成果を町民の皆さまにお伝えする、成果報告会を開催しました。当日は日曜日の夕方にもかかわらず、約20名の町民の皆さまにお集まりいただきました。今回は前日に行われたインカレねむろ・大学等研究プロジェクト2019研究発表会で発表した内容(関連記事をご参照ください)に加え、根室中標津空港を起点に路線バスで標津町を訪れる旅を提案しました。標津町内の路線バスは本数が少なく、旅程を組むことが難しいのですが、その中で少しでも標津町の魅力を満喫できるよう、バス車内から見える風景なども紹介しました。会場にお越しの方々からはこれまで学生が提案してきた内容と組み合わせてはどうかといった前向きなご意見をいただいたほか、前日のインカレねむろ研究発表会で紹介した謎解きマップに熱心に解いていただき、そうした様子に学生も成果を実感しているようでした。
 北海道標津町での学生の活動は、今年度で6年目になります。これまで6年間、われわれの活動を支えてくださったお1人が、標津町観光協会の久保田早也佳さまです。学生が少しでも安価に宿泊できるよう町内の宿を手配してくださったり、標津町の魅力を知るためのエコツアー体験を無料で提供してくださったり、少しでも地域の方々との交流が深まるよう懇親会を企画していただいたりするなど、多大なるサポートをいただきました。久保田さまは阪南大学国際観光学科のOGで、学生の先輩にも当たる方ですが、残念ながらこの3月で退職されることになりました。そこで、少しでも学生からの感謝をお伝えするべく、すでに卒業したメンバーも含め、メッセージカードをプレゼントしました。今後も標津町での活動を続けていく予定ですが、改めて久保田さまに心より感謝申し上げます。また、現地調査にご協力いただきた方々、当日会場にお越しいただいた町民の皆さまにも、重ねて御礼申し上げます。
 以下では、成果報告会および標津町でのさまざまな体験の様子について学生がレポートします。(森重昌之)

当日の報告会・活動の様子

  • 現地報告会での発表の様子

  • 現地報告会での発表の様子

  • 現地報告会での質疑応答の様子

  • チカ釣りする現地の方に話しかける学生

  • 野付半島で見かけたキタキツネ

  • 野付半島にて全員で記念撮影

※関連記事

参加した学生の報告

地元の方々と出会うたびに温かさが感じられる標津町
 国際観光学部2年 立住空

 私たち、標津町プロジェクトチームは2月13日から17日までの5日間、インカレねむろ研究発表会と現地報告会を行うため、北海道標津町を拠点に道東を訪れました。今回、私たちは観光行動の一連の流れであるきっかけ・周遊・リピートそれぞれに対して提案を行いました。
 まず、道東への旅のきっかけとなるように道東PRポスターを作成しました。道東には、大阪では見られない自然豊かな風景が多く広がっています。また、スマートフォンなどのカメラ技術が向上したおかげで、私たちはきれいな写真を気軽に撮ることができるようになりました。このことから、作成したポスターも私たちが現地調査で撮った写真を起用し、誰でもきれいな、SNS映えする写真を撮ることができるという点をアピールし、道東に少しでも興味を持ってもらえるようにしました。
 次に、道東を実際に訪れた際、道東を周遊してもらうための謎解きマップを作成しました。道東は移動時間が長く、風景もあまり変わらないため、魅力的な観光地や観光施設を見落としてしまうことがあります。そこで謎解きマップを使用することで、移動時間は謎を解く時間として楽しんでもらい、見落としそうな観光地などを巡ってもらえるようにしました。
 最後に、道東に訪れた観光客にリピートしてもらうために、Yes/No診断を作成しました。Yes/No診断で新たな観光地、道東の新たな魅力を発見することで、「次はここに行こう」と次回訪問時をイメージさせることで、リピーター増加につながるようにしました。
 現地報告会では、これらに加えて阿寒バスを利用したバス旅行のモデルコースも提案しました。当日は、たくさんの標津町の方々が私たちの発表を聞きに来て下さいました。町民の方からさまざまな意見をいただくことができ、今後の活動の参考にしたいと思いました。また、当日は私たちが実際に作成したポスターや謎解きマップ、Yes/No診断を配布しました。私は実際に町民の方が謎解きなどを楽しみながら解いてくださる様子を見て、とても嬉しく思いました。毎週木曜日に集まり、春休みもほぼ毎日集まって準備してきた甲斐があったと心の底から思いました。
 現地報告会の後は、標津町の方々が懇親会を開いて下さいました。私は、標津町昨年度からプロジェクトに参加したため、昨年度も報告会に来て下さった方などともお話しする機会がありました。1年生の時は何もわからなかったことと緊張していたことで、地元の方々と思う存分話すことができませんでしたが、私のことを覚えていて下さったので、とても嬉しかったです。標津町を訪れる度に新たな出会いがあり、私が4年生になった頃には地元に帰ってきたような気持ちになるのではないかと思いました。この懇親会でも地元の方々の思いをたくさんうかがうことができ、私たちが少しでも役に立つことができれば良いなと思いました。
 私にとって2年目の標津町プロジェクトでは、初めて後輩ができ、たくさん先輩からも後輩からも刺激をもらいました。そして、まだまだ標津町のことを知らないことも改めて実感し、もっと知りたいと思いました。標津町を訪れるたびに地元の方の温かさに触れ、昨年度よりも標津町への愛着が大きくなりました。私のように標津町に愛着を持つ人がもっと増えるように、これからも活動を続けていきたいです。標津町の皆様、今年度もすばらしい学びの機会をたくさんいただきありがとうございました。本当に感謝しています。

新たな出会いと温かさを感じた5日間
 国際観光学部1年 上林美凪

 私たちは昨年11月に行った現地調査をもとに、2月15日にインカレねむろ研究発表会に参加しました。それに加え、翌16日に現地の方々に向けた報告会がありました。私たちはこの報告会で、観光客周遊の促進ツールの提案を行いました。インカレねむろ研究発表会で発表した、道東地域に興味を持ってもらうきっかけのPRポスターや、旅行中の移動や目的地までの道中に楽しむツールとしての謎解きマップ、タイプ別(食・癒し・体験)それぞれの旅をおすすめし、さらに道東地域の興味を抱かせるリピーターを生む提案に加え、バスを利用したバス旅の提案も行いました。
 現地報告会には私の想像よりも多くの方々が来られ、初めて参加したこともあって感激しました。阪南大学の報告会や交流が長年継続していることに加えて、標津町の方々との信頼が築かれているからだと感じました。私はこの報告会で、遠く離れた地域とのかかわりを初めて目の当たりにしました。さらに、報告会の質疑応答では、私たちの提案に対して、現地の方々の「SNSを利用して情報を伝えるといいのではないか」、「バス旅と自転車を組み合わせて使えば、さらに観光の幅が広がるのではないか」などといった率直な意見や感想をいただきました。今後のテーマや課題として参考になり、とても良い機会になりました。また、地域と大学がうまく連携すれば、提案だけにとどまらず、実現できると思いました。今回報告会に参加して、地元を盛り上げようと活動されている方やどのような地域でも伝統や文化、土地や環境を守ろうとしている方がいらっしゃって、地域の強さを実感しました。
 このプロジェクトに参加したのは初めてで、昨年11月からの調査や今回の報告会を通じて、標津町を訪れるのは2回目になりますが、さらに道東地域の観光や現状について知り、濃い時間を過ごすことができました。11月の調査では、現地の方とあまり話す機会がありませんでしたが、今回の交流を通して新たな出会いがあり、とても良い時間を過ごせました。報告会では、数年続いている標津町の方々とのつながりをなくさないためにも、今後さらに道東地域に関心を向ける必要があると考えました。この5日間で新たに感じた地域の重要性や可能性、コミュニティをなくすわけにはいかないと思いました。
 最後になりますが、標津町の方々はとても優しい方ばかりで、報告会や交流会など、さまざまな場面でお世話になりました。今後もプロジェクトに参加し、さらに良い提案や研究を行い、道東地域の活性化に尽力していきたいと思います。また、このプロジェクトに参加して、自身にとっても新たな出会いやかかわりが生まれ、貴重な経験になりました。また、自身の今後についても考える良いきっかけにもなったので、さまざまな面において思索を深めたいです。

楽しく有意義であった現地報告会
 国際観光学部4年 高田有規子

 2020年2月16日、北海道標津町内にある生涯学習センター「あすぱる」にて、標津町の皆さまに向けた現地報告会を行いました。当日は日曜日にもかかわらず、多くの皆さまにお集まりいただきました。現地報告会では、道東地域への来訪を促す“PRポスター”や道東地域の周遊を促す“謎解きマップ”、リピーターの創出を促す“Yes/No診断”、そして“阿寒バスを利用したモデルコース”の4つの提案について発表させていただきました。お越しいただいた標津町の方々からは、「ポスターではなく、SNSで情報発信を行った方が良い」や「今回提案した謎解きマップと以前提案したことのある自転車周遊マップを組み合わせれば良いのではないか」など、多くの意見も頂戴し、有意義な報告会となりました。
 また、報告会の中で、実際に標津町の皆さまに、私たちが考えた謎解きの問題を解いていただく場面がありました。いくつか訂正しなければならない部分もありましたが、楽しそうに問題を解いておられる姿を見て、嬉しかったです。私たちの提案が実現した際、このように観光客の方にも楽しんでいただけるのかと思うと、胸が高鳴りました。
 今回の現地報告会には、前回のフィールドワークの際に私が落とした筆箱を拾得し、わざわざ大阪まで送ってくださった中学校の校長先生も見に来てくださいました。落とし物を拾ってくださっただけでなく、私たちの標津町でのプロジェクト活動に興味を持ってくださり、別海町で行われた研究発表会と現地報告会にも来てくださいました。実際にお会いすることができ、直接感謝の気持ちをお伝えすることができました。
 現地報告会の後には、標津町の皆さまとの懇親会が行われました。懇親会にも多くの皆さまにお越しいただき、新鮮な海産物とともに会話も弾み、楽しい時間を過ごすことができました。同時に、4年間このプロジェクトに参加させていただけたことへの感謝の気持ちと、大学生活での標津町訪問が今回で最後になることへの寂しさを感じました。フィールドワークの度に、宿泊する宿やさまざまな体験などを手配してくださいました。2018年夏のフィールドワークでは、北海道胆振東部地震に遭って途方に暮れていた私たちを釧路市から標津町まで送迎してくださいました。さらには温かいご飯と風呂、そして宿を手配してくださり、標津町の皆さまの優しさを、身をもって感じた経験でした。いつも温かく迎えてくださる標津町の皆さまには感謝でいっぱいです。本当にありがとうございました。4年間の標津町プロジェクト活動を通じて、道東地域そして標津町を知り、素敵なご縁に巡り合えたことに感謝申し上げます。

また行きたいと思えた初めての経験
 国際観光学部2年 河合唯

 今回は、2月15日に開催されたインカレねむろ・大学等研究プロジェクト2019研究発表会に参加するため、2月13日から2月17日までの4泊5日、北海道にフィールドワークに行きました。今回の研究発表会では、最優秀賞を受賞できました。また、現地報告会や網走観光、標津町では普段触れられない雪で遊ぶ体験もできました。今回、私は野付半島での自然体験と標津町のサーモンパークで体験したスノーシューについて記します。
 私は今回初めて野付半島を訪れたのですが、驚いたことがいくつかありました。この日はとても寒かったのですが、天気は晴天で、北方領土である国後島がとても綺麗に見えました。そして、内湾が凍っているという今まで見たことのない景色が広がり、その上でテントを張ってチカ釣りをしている人や、私たちのように、こうした風景に慣れていない人は写真を撮るなど、さまざまな楽しみ方をしていました。また、そこで出会った方がとても優しく、チカ釣りをしている方に話しかけても嫌な顔一つしないで、釣れたチカを見せていただいたり、お話をしてくださったり、さらにはチカ釣りの体験までさせていただくなど、人の温かさにも驚きました。
 さらに野付半島の先端をめざして進んでいくと、野生のキツネやエゾシカに遭遇しました。普段見ることのない野生動物に驚き、興奮していると、普段は5分ほどで移動できるところが、30分以上かかってしまいました。野付半島では非日常体験ができ、時間を忘れて楽しんでいました。
 その後、サーモンパークでスノーシューを体験しました。スノーシューは、普通の靴であれば雪に埋もれてしまうので、面積の広い板のようなものを履いている感覚です。今回初めて履いたのですが、本当に雪に乗っている感覚で、私たちが住んでいる地域ではできない体験ができました。
 今回、野付半島とスノーシュー体験に共通して言えることは、非日常的な体験であったということです。現地の観光協会に務めておられる久保田さんに同行していただいたおかげで、今回のような貴重な体験ができたのだと思いました。私は今回のフィールドワークで、旅行に行くことが今まで以上に好きになりました。今まで知らなかった風景に出合え、新しい人との出会いもあり、体験したことのないことを経験し、非日常を味わえ、自分の世界が広がったように思います。今回のプロジェクトを通して、人と人とのつながりがいかに大切であるかということを身にしみて感じることができ、自分にとってとても良い経験になりました。

「初めて」がたくさん詰まった道東での体験
 国際観光学部1年 千賀琉偉

 私は今回、北海道で開催されるインカレねむろ研究発表会に参加するため、2月13日から17日にかけて標津町を訪れました。標津町に訪れるのは2回目で、今回訪れた標津町は前回見た景色とまったく違っていました。まず空港に着くと、一面雪が積もっていて、標津町までの道中も初めて見る真っ白な光景に、とても感動しました。季節が変わるだけでこれほどにも景色が変わることに、自然の素晴らしさを実感しました。
 2月15日、インカレねむろ研究発表会に参加するにあたって、11月に行った現地調査の内容をまとめ、活動してきました。発表前日は夜中まで全員で原稿の読み合わせを行い、発表当日の朝も最終チェックを行いました。会場では他大学の発表をたくさん聞きましたが、私には理解できない、難しく、すばらしい発表も多かったので、自分たちの発表の時にはとても緊張しました。発表を終え、インカレねむろ事業推進協議会長賞という最優秀賞を受賞できました。その後の交流会では、他大学の方々とかかわることができ、皆さんの「道東愛」を感じました。そして、来年へのモチベーションにつながりました。
 研究発表会を終え、翌16日には氷平線を見に行くため、野付半島をめざしました。この日は天気がとても良く、空気も澄んでいたので、知床連山がはっきり見えました。雪を覆った大きな山々が連なっている姿は、とても美しかったです。そして、道中にキツネやエゾシカなど、さまざまな動物を目にしました。雪の上に立つ動物は、秋に訪れた時よりも一層北海道を感じました。さらに氷平線では、見渡す限りの真っ白な空間が広がっていて、とても感動しました。北海道の広さを再確認できました。
 さらに、今回は初めてスノーシューを体験しました。スノーシューは雪上歩行具で、普通の靴で歩くと沈んで埋もれてしまうふかふかの雪も、スノーシューを履くと埋もれることなく歩くことができます。そこで、スノーシューを履いて雪合戦をしました。大学生とは思えないくらい雪の上ではしゃいでしまい、大人も子どもも楽しめる遊びだと感じました。服の中までびしょ濡れになったり、髪の毛が凍ったりするなど、北海道ならではの体験になりました。
 今回、標津町のプロジェクトに参加して、とても良い経験になりました。なにより地名すら読めず、まったく知らなかった遠く離れた町をたくさん知ることができたうえ、標津町の方々とこれほどまでかかわることができ、とても嬉しいです。私のように、標津町を知って現地の方の温かさや魅力を知ってくれる人がもっと増えるよう、これからも貢献していければよいと考えています。半年間何もわからない私を引っ張ってくださり、いろいろなことを教えてくださった先輩方や森重先生にとても感謝しています。そして、標津町の皆さま、私がしたことないような体験の機会や親睦の場を設けてくださり、本当にありがとうございました。