観光のバランスを考える-観光資源論
国際観光学部教授 森重昌之
「2020年に訪日外国人旅行者を4,000万人に」。少し前までよく聞かれましたが、インバウンド一辺倒であった観光は、新型コロナウィルス感染症拡大の影響によって一気に吹き飛びました。コロナ禍は観光に深刻な影響をもたらしていますが、同時に「改めて観光はどうあるべきか」について考える機会を与えてくれています。
観光では、地域のさまざまなものを資源として「利用」します。地域の人びとはたくさんの観光客に訪れてもらうため、こうした資源に磨きをかけてきました。その結果、多くの観光客が観光資源を利用するようになりましたが、資源の過剰な利用はさまざまな問題を引き起こします。日本では1970年代に「観光公害」として問題視され、最近では「オーバーツーリズム」といわれています。そのため、観光資源の利用にあたっては、同時に「保全」についても考え、両者のバランスを図ることが大切です。観光資源論の授業では、保全と利用のバランスを図る持続可能な観光(サステイナブル・ツーリズム)のあり方を考えています。
観光のバランスは何も、資源の保全と利用だけではありません。インバウンドにばかり目を向けてきた日本の観光立国政策は、観光の多様性の喪失を招きました。これからは外国人観光客だけでなく、国内観光客、さらには地域で暮らす人びとにも目を向ける、つまり観光客のバランスも求められているのではないでしょうか。観光客の多様性を維持することが、危機に強い観光を創造することになります。
観光では、地域のさまざまなものを資源として「利用」します。地域の人びとはたくさんの観光客に訪れてもらうため、こうした資源に磨きをかけてきました。その結果、多くの観光客が観光資源を利用するようになりましたが、資源の過剰な利用はさまざまな問題を引き起こします。日本では1970年代に「観光公害」として問題視され、最近では「オーバーツーリズム」といわれています。そのため、観光資源の利用にあたっては、同時に「保全」についても考え、両者のバランスを図ることが大切です。観光資源論の授業では、保全と利用のバランスを図る持続可能な観光(サステイナブル・ツーリズム)のあり方を考えています。
観光のバランスは何も、資源の保全と利用だけではありません。インバウンドにばかり目を向けてきた日本の観光立国政策は、観光の多様性の喪失を招きました。これからは外国人観光客だけでなく、国内観光客、さらには地域で暮らす人びとにも目を向ける、つまり観光客のバランスも求められているのではないでしょうか。観光客の多様性を維持することが、危機に強い観光を創造することになります。
阪南大学国際観光学部の専任教員が1ヶ月半にわたってお届けしてきた「【シリーズ】私たちが伝えたい観光」は、今回で最終回です。コロナ禍で観光を取り巻く環境は厳しいですが、本学部ではこのような状況においても観光現象に冷静に向き合い、学生とともに観光がもたらす多様な可能性について考え、観光現場で実践してまいります。これまでご覧いただき、ありがとうございました。