2024年度海外インターンシップ ベトナムクラス

 2024年度海外インターンシップ ベトナムクラスの14名が、9月16日(月)にホーチミンから関西空港に無事帰国しました。
 日本では得難い様々な経験を積むことにより、一回り大きな人間となって帰国したと思います。今後、何回かに分けて参加学生の感想・気付きを紹介します。今回はその第5回となります。

経済学部3年 山田 竜生 さん

1. はじめに
 本レポートでは、私の国際インターンシップの成果をまとめます。
 最初に、私の国際インターンシップに参加した目的を説明します。
 一つ目は異文化体験の獲得です。これは、ベトナムと日本の文化の違いを学び、グローバルな視野を広げるためです。
 二つ目は現地企業での実務体験をすることです。これは、実際のビジネス現場での課題解決力、実践的なスキルを向上させることを期待して参加しました。
 三つ目はキャリアの方向性を確認することです。これは、実際の職場体験を通じて、将来のキャリアの方向性を具体的に考える機会を期待しました。
 四つ目は自己成長と自身の向上の期待です。これは、一人での行動力の無さが欠点である私に取って未知の環境で挑戦することで、自身の成長を促すことができると思い参加しました。
 

佐川ベトナムの社員の方々との写真
 
2. 主な活動内容
 次に、国際インターンシップの内容について簡単に説明します。
 私は佐川ベトナムで営業部署に所属しました。一ヶ月間の活動内容は、営業同行、VIETFISH参加、倉庫研修、CAT LAI港見学、座学(ベトナム基礎・営業研修・国際物流・SGJについて・会計知識・REMOVALについて)、越境EC調査です。
 

VIETFISHの様子
 
3. 業界・会社に対する理解
 次に、業界・会社に対する私なりの理解をまとめます。
 業界に対する理解は、まず物流の重要性です。物流がなければ製品サービスの大半は供給できません。物流は製品やサービスを供給するための重要な存在であることを理解しました。
また、輸送効率の最適化です。国際物流では、時間とコストのバランスが重要であり、効率化が競争力に直結することを知りました。
 さらに、経済成長への影響です。地域間や国際間の物流が発展することで、地域・国際的に市場が広がり、経済成長を促進することを理解しました。
 会社に対する理解は、まず市場での役割です。近年のベトナムの経済成長とともに、物流業界の需要が急速に高まっており、佐川ベトナムは効率的な配送ネットワークと国際的な知識を活かし、市場での競争力を持っています。
  また、競合他社との違いについてです。日本の物流技術やサービス品質を基盤にした信頼性の高いサービスを提供し、迅速な配送やカスタマーサポート等で競合他社との違いを持っています。
4. 困難と解決
 次に、インターンシップ中にチャレンジしたこととその結果についてまとめます。私は主に二つのことをチャレンジしました。
 一つ目は、未知の業務体験を通して成長することです。新しい環境や業務内容に対して、短期間での成果が求められるプレッシャーのもと業務を行いました。特に、佐川ベトナムのルールに早く適応し、効率的に業務を進める必要がありました。これは、私の限界を知り、さらに成長することを目的としました。インターン序盤は時間管理・スケジュール管理、座学・営業の情報整理ができず失敗しました。座学では質疑応答の際に情報が整理できず質問ができませんでした。また、スケジュール管理が上手にできず、デスクに向かってはいるが、時間を無駄にする日がありました。しかし、業務を通して、聞いたこと・考えたことをすべて書き出すなど、メモを最大限に活用することで、時間管理・スケジュール管理・情報整理ができました。些細なことだが学生のうちに知ることができたことは大きな成果です。
 二つ目は、越境EC調査です。これは、ベトナムの市場と日本の市場の違い、消費者の行動パターンなど、異なる経済状況やビジネス環境を把握する必要がありました。また、調査店舗の従業員で日本語が通じる方がいなかったため調査は難航しました。また、調査対象をしぼり、調査方法を考え、調査する工程、全てにおいて困難でした。初回の調査では、ほとんど情報を得ることができなかったです。初日は完全に心が折れ、私の限界を実感しました。しかし、越境ECについて何度も復習し、質問項目を見直し更に候補をしぼり、取材方法も見直すことで次第に情報が集まり、成果が出てきました。挫折から自身で考え、解決にたどり着きました。これは私が一ヶ月間で成長したものの中で最も大きなものです。
 
  
調査店舗の外観
 
5. 一ヶ月間の成長内容
 最後に、私がこの一か月で成長したことをまとめます。
 一つ目は、柔軟性と適応力の強化です。これは、異なる環境や文化に対応することで、柔軟性と適応力が向上し、様々な環境で活躍できるスキルが培われました。
 二つ目は、ビジネススキルの向上です。実務経験を通じて、コミュニケーションスキル、問題解決能力、ビジネスマナーなどのビジネススキルが向上し、キャリアの進展に役立つ具体的なスキルを磨くことができました。
 三つめは、グローバルな視点の強化です。対ベトナム人での調査等のベトナムでの実務経験を経て、異文化環境でのビジネスの進め方や価値観を理解し、グローバルな視野が広がり、今後のキャリアにおいて国際的な仕事やプロジェクトに対する自信がつきました。
 四つ目は、コンピュータースキルの向上です。以前まではコンピューターに週二、三回程度しか触れていませんでしたが、毎日コンピューターに触れることになり、データ入力や管理、タイピング、メール等のスキルが確実に身につきました。
 五つ目は、自己管理能力の向上です。短期間で多くのことを学ぶ中で、時間管理や業務優先順位など、自己管理能力が向上しました。
 六つ目は、自己成長と自身の獲得です。越境EC調査において、最初は調査を躊躇していましたが、止まらず行動し続けたことで、計画力・行動力を向上させました。また、この挑戦を乗り越えた経験は自信をもたらし、将来的なキャリア目標に対して前向きに取り組むモチベーションが高まりました。
 

国際コミュニケーション学部 3年生 西 史夏 さん

インターンシップで得たこと
 今回のインターンシップでは、自分で行動する大切さを主に学びました。私のインターンシップ先は、週2回必ず出社する日が設けられていて、他の日はカフェなどのオフィス外で自由に勤務していいというワークスタイルでした。そのため、ストレスフリーに勤務することが出来ました。しかし、その『自由』ということは逆に業務を進めるにおいて難しいことで、想像以上に苦しみました。ただ机でパソコンと向き合うだけでは、吸収できることが限られると感じ、ホテルへアポなし訪問したり、市場調査をしたりと、自分で考えて外に出て行動し、その結果を得ることができたのは私にとって大きな財産です。机の上でデータと向き合って済ませることも手っ取り早いことがありますが、実際に自分で感じることが一番だと改めて学びました。自分で行動するのが大事だということは以前から頭の中ではわかっていました。しかし実際の最初の一歩はとても怖いです。その一歩踏み出すことで次のステップに進むための自信にもつながるので、このことは今後も忘れてはいけないことだと思いました。
 また、人に甘える大切さも知ることができました。今まで大学に提出するようなレポートは一人で作成するものが多く、グループワークの課題なども分担してしまえば、あとはそれぞれが担当部分だけを淡々とこなしていくような進め方をしていました。しかし、今回のインターンシップでは、他大学のインターンシップ生2人と分担して業務を進めていきました。その際に、他の学生に役割を補ってもらったことや、協力してもらったことで成り立ったものも多くありました。また、インターンシップではTikTokの開設と投稿をするという業務があり、その業務で『1週間で総再生回数1万回』という目標を自分で設定し上司に宣言していました。高めに目標設定した自覚があったので達成できるか不安だったということもあり、身内に宣伝して目標達成のサポートしてもらいました。これまで、このように目標を定めて広報活動を行った経験がなかったため、今回初めて感じることもたくさんありました。何かを達成したいとき、一人ではどうしてもできないものもあると学びましたし、人脈の広さはこういう場面でも活きるのだとその大切さを知りました。
 
ベトナムで得たこと
 また、今回のベトナムインターンシップでは、企業での業務以外でも気づかされることや新しい発見がありました。ベトナムに来てからすぐに、ここは「今その時」を意識して必死に生きていかないといけない世界だと感じました。日本にいるときはそれをあまり感じず、むしろ明日のことを考えて憂鬱になることも多かったです。また、そのような状況にいる人も多いと思います。しかしベトナムでは「今」を怠るとその先が無い可能性もある、そんな場所だと思いました。特に、ベトナムの道をよく歩くようになってからもそれをますます感じるようになりました。ベトナムの道は、その社会の状況を可視化しているように思います。何か考え事をしていたり、他のことに気を取られていたら、すぐにつまずいたりして足を取られたりして、バイクに引き殺されそうになることもありました。逆に「今」のことに目を向けていると、路地裏に隠れたおしゃれなお店を見つけたり新しい発見があったりしました。今の日本での状況は、良い意味で言えば平和の象徴としても捉えられるかもしれませんが、未来のことを考えて不安になるだけではなく「今」をもっと意識する必要があると学びました。私は自分が将来どう働いていきたいのか明確ではなかったため、実際に働いてみることで何か見つけられることもあると思い、今回このインターンシップに参加しました。就職活動を目の前にした今、どうしても将来のことについて考え迷走することがありますが、もっと自分の「今」の状況に目を向けると、見つかることもあるのではないかと気づきました。
まとめ
 今回のインターンシップを通して、自分で行動することの大切さや他者との協力の力を学びました。未来に不安を抱くこともありますが、今この瞬間を大切にし、一歩一歩前に進んでいくことで、自然と次の力が見えてくると確信しました。この経験を糧に今後も挑戦を楽しみながら、自分の成長を続けていきたいと思います。
 
  

経営情報学部 2年生 船橋 七美 さん

 国内のインターンシップに参加したことはないですが、ベトナムという海外で1ヵ月間のインターンシップに参加して得られたことは多岐にわたります。
 1つ目は、勤務時間の違いでし。現地では、8時半に出社し、17時に退社する。12時になると全員一斉に1時間のランチ休憩に入り、15時には15分間のスナックやナップタイムがあります。さらに、金曜日はハッピーフライデーとして退勤時間が30分早くなります。勤務時間中は、黙々と仕事をこなし、休憩時間には皆で集まって過ごすというスタイルは、これまでサービス業での職務経験しかなかった私にとって新鮮でした。
 2つ目は、営業の手法の多様性です。安濟社長はテレアポを好まず、求人活動を行っている企業に対してメールで営業を行ったり、セミナーを開催したり、他企業のセミナーに参加して共同で営業を行ったりしていました。ルームメイトの研修先では、ひたすら電話での営業を行っており、その辛さや顧客獲得の難しさについて話を聞き、なるほどと思いました。
 3つ目は、デリバリーサービスの率が日本よりも非常に高いことです。仕事中にもかかわらず、毎日Shopeeから個人的な商品を注文し、配達された商品を受け取ることが習慣となっていました。昼食や飲み物だけも、デリバリーサービスを利用することが一般的であり、バイク大国ならではの迅速な配達には驚かされました。
 4つ目は、環境の違いに対する不満です。トイレットペーパーホルダーの位置や交通機関の利用方法について、いくつか問題を感じました。特にトイレットペーパーのホルダーがウェストをツイストしないと届かない位置にあることが多く、その理由に不思議を感じました。また、バスの乗車率が低く、バス利用を促進することでバイクの数が減り、渋滞が少しは緩和されるのではないかと考えました。
 1ヵ月間のベトナムインターンシップを終えた今、自分にとって非常に有意義な経験だったと感じています。研修先の業務については、ベトナム人しかいない職場でのコミュニケーションに不安を抱いていましたが、皆英語を話し、数名は日本語も話せたので、コミュニケーションには困らなかったです。長谷川さんが隣にいたおかげで、スムーズに仕事を進めることができました。また、安濟社長はタスクを一つ一つ指示してくれたため、ストレスなく自分のペースでのびのびと働くことができました。
 また、他大学とのルームシェアを通じて異なる学びや働き方を共有することができ、同じ九州出身ということもあり、過ごしやすかったです。
 最後に、初めて非英語圏で1週間以上生活してみて、外食やお店でのコミュニケーションに苦労し、非英語圏での生活は自分には向いていないと実感させられました。しかし、元フランス植民地だったため、ランドリーのおばちゃんとフランス語と英語を交えて30分以上雑談する楽しい経験もできました。シャワーの水圧や英語でのコミュニケーションの難しさなど、困ったこともあったが、研修先ではオンライン営業に参加し、議事録の作成や日系企業の採用活動に関する情報収集、タイに進出している企業に対する適性検査の紹介記事の作成など、多くの体験をすることができました。また、海外に進出している企業の採用活動の違いや難しさを直接聞けたことも、非常に良い経験になりました。
 

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