吹田浜屋敷で「吹田フットパス交流会」

 2018年7月29日(日)に台風が大阪から去った中、吹田市浜屋敷の吹田歴史文化まちづくり協会で「吹田フットパス交流会」を開催しました。4月から5月の間に吹田まち案内人の方々にガイドしていただき、5月から6月の間の2回目は学生たちだけでまち歩きと探索を実施しました。今回の交流会は、吹田市民であり案内人でもある同協会のメンバーの方々と2回まち歩きをした学生たちの意見交換の機会として設けました。「歩く道」としての「フットパス」という視点も取り入れて、意見交換し議論するという趣旨説明のあと、北千里公園コース、水辺コース、岸辺コースの3チームに分かれて、グループワークを行いました。まず、歩いて「良かった点」「改善点」「気づいた点」を話し合い、それをふまえて各チームごとに新たなルートを提案しました。最後にはその結果を模造紙に書いて発表し、他のチームやまち案内人の方々から貴重なコメントやご指摘をいただきました。今回は、そうした交流会での意見交換を通して学生たちが考えたことを報告します。

「吹田フットパス交流会」を通して
 3年生 島田 麻衣

 7月29日に吹田市浜屋敷で「吹田フットパス交流会」が行われました。私たち塩路ゼミ3年生と吹田まち案内人の方々が集まり、1回目に案内人の方とまわったコースと2回目に私たち自身で歩いたコースから感じたこと、良い点、改善点、学生からの提案を話し合いました。
 私たちは北千里公園コースで、多くの公園を巡りました。北千里の魅力は、緑が多く、静かで落ち着ける街であることです。私たちは5月に訪れたので桜も紅葉も見ることができませんでしたが、ベストシーズンになると、絶景であることを想像できました。家族でピクニックや散歩するならぴったりな街です。
 改善したほうがよいと思う点は、公園にベンチやテーブルを設けることです。歩くのは若者でも高齢の方でも疲れます。休憩をはさめるスペースを取り入れることを提案しました。また、細くて複雑な道が多く、まち歩きマップにも記載されていないものもあり、初めてこの街に来る人にとってはマップ片手に歩くには困難であり、道に迷います。その対応として看板を設けてはどうかと提案しました。
 その上で、私たちの考えたコースは「北千里で四季を楽しむ」というものです。四季によって歩くコースを変えました。すべてのコースは北千里駅発着です。春は桜がきれいに咲くエリアを通ります。このコースは竹林遊歩道も歩くので、非常に面白いと思います。千里さくら通りで桜を楽しみ、北千里駅に帰ります。秋は紅葉を楽しんでほしいので、三色彩道や合歓の木道を通るコースにしました。三色彩道では唐楓、アメリカ楓、タイワン楓の三種類の楓が楽しめます。赤・黄・緑の三色に葉が彩り絶景です。ナンキンハゼが並ぶ合歓の木道を通り、北千里駅に帰ります。夏と冬は北千里駅から南に下るコースです。はぎのき公園、千里中央公園、古江公園、藤白公園を巡るコースです。千里中央公園には広場やとてつもなく長い滑り台があり、大人も子供も楽しめます。
 発表のさい、まち案内人の方々から季節ごとにコースを変えるという案はおもしろいという意見を頂きました。しかし、フットパスで地域外からの訪問者が多く来ることで、住民が嫌がらないか、自然が壊されないかという意見もいただきました。確かに、今まで守り、育ててきた自然を外から来た人に壊されるのは心外です。それについては、フットパスに参加するうえでの常識や心得というものを周知し、行動してほしいです。まち案内をしていただいた時、三色彩道を見ようと車でくる観光客が排気ガスをまき散らし、木々が枯れてしまったという話を聞きました。その事例があるので、そのような意見が出たのだと思います。フットパスは自分の足で歩いてそのまちを知るというプログラムです。排気ガスのような汚染で自然が壊れるという心配はないように感じます。
 四季で3つコースを分けたことによって、最低でも3回この北千里に足を運んでもらい、それぞれ季節を感じながら、違った北千里の魅力を体感してもらうことができます。1つのコースだけでは北千里の魅力が十分に伝わらないと考えます。都市部に近い吹田市北千里は大きな自然に囲まれながら、のびのびと生活できる街です。緑が少なくなってきている大阪で、改めて自然の美しさを感じながらフットパスを楽しんでほしいです。

街の人々の考えを知る必要性
 3年生 歌川 ひいな

 私たちは、浜屋敷の交流会で「北千里で四季を楽しむ」フットパスを提案しました。このコースは四季ごとにルートが違い、春には桜、秋には楓を楽しむことができます。北千里は緑が多いということで、それを活かすことのできるルート作りに力をいれました。桜のトンネル、桜通り、三色彩道、数多くの公園など、北千里には観光資源が豊富です。このルートを浜屋敷の方々に提案したところ、いくつかおすすめの道を教えてもらい、そのルートを追加しました。北千里を2回歩いた私たちよりも北千里での経験が多く、歩き続けている方々のご意見のおかげで、より良いルートになりました。浜屋敷の方々からは、「四季でルートを変えることは新しい」「来年はこのルートで歩いてみよう」などと称賛の言葉をいただきました。
 しかし、厳しい意見もいただきました。私たちは、フットパスを通じて地域以外に住む多くの人々に街を知ってもらい、その街を訪れたくなる、住みたくなるようなまちづくりを考えていました。少子高齢化や人口減少について考えると、街の人口を増やすことが重要だと感じました。だから、歩いている途中に休憩場所があった方が良いことや、ベンチの増加、地元の特産品などを使用したカフェの設置などを考えていました。フットパスに行きたくなるように、フットパスがしやすいようにと考えていました。このことを浜屋敷の方々に伝えると、北千里に住んでいる人々の意見を聞くべきだという指摘をいただきました。どうやらフットパスを通じて観光客が街の人々と交流をすることを望んでいない街の人々がいる、ということを理解しなければならないようです。街の人々が住みやすい街づくりを目指している浜屋敷の方々にとって、私たちの提案は観光客向きと思われました。緑を守ってきた街の人々はどのようなフットパスを求めているのか、フットパスは必要ないのか、私たちは様々なことを考え直しました。
 新たに考えたことは、まず街の人々の意見を聞くことが重要であることです。この街についてどう感じているのか、今後どうなってほしいのか、少子高齢化や人口減少についての意見などを聞くことで、これからの街づくりに繋がると考えました。街を知り、街の人々を知ることでより良い街になるのではないでしょうか。外の人間である、観光客側の目線だけでなく、街の人々の目線になることの重要さを学びました。街の人々にフットパスの可能性を知ってもらうことも必要だと実感しました。

浜屋敷での発表を終えて
 3年生 前田 果歩

 7月29日に私たちは吹田の浜屋敷を訪問してきました。そこで4月と5月に実施したまち歩きの経験を吹田のまち歩きボランティアの方々から意見を聞いたりしてまとめて発表してきました。私たち「岸辺コース」は2回のまち歩きから良かった点、悪かった点、改善点を出し合い、それらをまとめて考えた「ファインダー越しに見える岸辺」と題した新しいコースを提案しました。その内容はJR岸辺駅のセブンイレブンで今はやりの「写ルンです」を買いそれをもって写真映えする場所をポイントにしてまち歩きするというものです。道中にはおしゃれなトンネルアート、風情のある本屋さん、古い町並み、吉志部神社、吹田市立博物館などがある道を通ります。
 改善点としてあがっていた影が少なく休憩場所がないという点を考えた結果、まち案内人の方々にどこか休憩できる場所はないかを聞いて、それらをコースの間に入れて新しいコースを作り上げました。他にもQRコード付き散策マップなども提案しました。QRコードを読み取るとその場所の歴史などの説明をみることができるというものです。しかし、それを作ってしまうと、まち歩き案内人の意味がなくなってしまうという意見が案内人の方々から出たので、QRコードでは伝わらない、地域での実体験などを聞かせていただくというようなことを一緒に考えました。
 次に、模造紙に手分けしてまとめたことをわかりやすく書いて他のグループやまち歩きボランティアの方々へ向けて発表しました。発表を終えてからまち案内人の方々の質問に答えました。意見の中でも印象的だったのは、今はやりのアプリである「ポケモンGO」のようなものを使い、スマホと地域を組み合わせたまち歩きをするといったものでした。そうすることによって岸辺を知らない方や若者世代にも岸辺という町に興味を持ってもらえるのではないかと私も思いました。
 私は、今回初めてまち案内のボランティアの方々に会いました。少し緊張していたのですが、とても優しくて温かい方々でした。私たちの意見した内容についてメモを取ってくださるなど親身に聞いてくださいました。また、聞くだけでなく地域住民としての意見をたくさん私たちにぶつけてくださいました。たくさんのアイディアも提案してくださり私たちもとてもまとめやすかったです。結果として上手く2つの側からの意見をまとめることが出来たと感じました。今回のように自分たちよりも遙かに経験豊富な方々と意見交換が出来る機会に参加することができてとても良かったです。私たちが知らないことも沢山知ることができ、逆にボランティアの方々が知らない事も伝えることができました。この経験をこれからの活動に活かしていこうと思いました。

意見交流の大切さ
 3年生 遠藤 菜緒

 7月29日、私たちが4月と5月に吹田で行ったまち歩きの意見交換のために交流会が浜屋敷で開催されました。吹田でのまち歩きは岸辺コース、水辺コース、公園コースの各3つのチームに分かれて行いました。私は岸辺コースのチームだ。それぞれのコースにまち歩きの案内人の方が同行してくださり、歩きながらまちの歴史や、案内人の方自身のエピソードなどを伺いました。そして2回目のまち歩きでは学生だけで行い、新しい発見などがありました。今回の浜屋敷での交流会はそれぞれのチームに分かれて、歩いて良かった点、改善点、気づいた点を事前に学生でまとめ、ルートを考えていたものを、案内人の方に話して、案内人の方々の意見を参考にして新しいルートの発表を行いました。
 私たちのチームから出た意見としては、良い点では駅周辺の地域開発や遊歩道といった新しい部分と寺や神社が多いことなどでした。改善点としは、日陰が少なく、なかなか休憩所がない、認知度が低いといったところです。気づいたことは、トンネルアートやレトロな本屋さんなど若者にも楽しんでもらえるような点が多いなどです。こういった意見を集めて当初私たちが考えたコースは今若者の間で流行している「写ルンです」を持って歩くコースです。トンネルアートや神社、古い町並みなど、27枚と直ぐに完成を見ることができない「写ルンです」を持って歩いてもらうことで、若者が「かわいい」「面白い」と感じるレトロな岸辺を楽しみながら歩けると考えました。また、カメラ屋で現像やデータにしてもらわなければならないので、歩いた後にも楽しみが続き、SNSへの宣伝にも効果的であると思いました。そこへ以下の案内人の方の意見を加えて新しいルートを提案しました。
 案内人の方の意見は、まち歩きの改善のためには看板が少ない、ということでした。そこで出た案としては、まち歩きのマップにQRコードをつけ、各ポイントで読み込むことにより解説を自分のスマートフォンなどで読むことができるというものです。こうすることによって、各ポイントについてより深く知ることができ、更に案内人にしか話せないエピソードを生で聞くことにより深く岸辺を知ることができると思いました。
 こうして各チームが発表を行い、他の案内人の方々の意見を伺いました。地域の方が歩くまち歩きのルートを考えるのも1つの案となるなど、案内人の方々の住民としての立場からの意見と、学生としての私たちの立場から考えることは違うと感じました。そういった意見や立場の相違も交流することで理解しあうことができ、より多くの人に活用してもらえるルートをつくることができることにつながります。地域に住む人々との交流の大切さを改めて感じることができた交流会となりました。

自然と緑を感じるコース
 3年生 井手 駿介

 今回の交流会で私たちは北千里の水辺コースについて発表しました。私たちが発表した内容は、阪急北千里駅からスタートし、はぎのき公園(古江稲荷神社)→メタセコイアのある水路→けやき通り→ピアノ池→三色彩道→大阪大学→阪大病院前といったコースでした。発表の時には地図などを作るのに夢中でコースを説明する内容をまとめきれず、詳しく説明できなくて残念でした。
 発表できなかったことを詳しく説明すると、はぎのき公園は少し山を登ると古江稲荷神社があり北千里ではあまり神社がなかったので、ここでお参りすることができます。公園を出ると近くにお手洗いがあるので、そこで休憩することができます。次に少し歩くとメタセコイアのある水路があり、そこの歩道にはメタセコイアの木陰があり夏場は涼しく歩けます。水路の水がもう少しきれいだったら良いのになあと感じました。
 水路を抜けるとけやき通りに出ます。このけやき通りは大阪万博の時にゾウが実際に通った道で歴史的に有名な道で、こういった歴史を知りながら歩いてもらうと、ただ歩くよりも記憶に残りやすくおもしろいです。しばらく歩くとピアノ池のある藤白公園があり、ここでもお手洗いがあり屋根付きのベンチもあるのでゆっくり休憩することができます。また、冬には水鳥が見ることができるらしく見たい方にはおススメの公園です。地図で見ないと分かりませんが、グランドピアノの形の大きい池があり風が吹くと涼しいので休憩にはもってこいの公園です。ただ、屋根付きのベンチには鳩もよく休みに来るのでフンを落とされないように注意しなければなりません。
 三色彩道まで歩くと名前の通り三色に変化する木々があり11月頃に訪れると赤、黄、緑の三色に輝きます。紅葉を見に京都まで行かなくても三色彩道できれいな紅葉が見る事ができる通りです。最後に、千里門から大阪大学に入ると食堂やコンビニがあるので、そこで食事をすることができます。中には阪大病院があり、屋上から見る万博記念公園と吹田北部の景色はとても美しいので、ぜひ訪れてほしいです。私たちはこのコースを「自然と緑を感じるコース」と名付けました。
 今回発表して思ったのは、簡潔に説明しすぎたことが原因で質問やコメントをあまりもらうことができず、発表の準備はしっかりしなければならないという点です。そのタイトルなら千里北公園を歩いた方が良いという意見もあり、確かにそのコースも良いだろうと思いました。

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