プロフィール

経済学部 経済学科

王 凌 (オウ リン)

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 金融は、多岐にわたる学問分野と密接に結びついた世界です。そして、NISAやiDeCoなどの動きを見れば、金融が経済活動だけでなく、社会生活にも大きな影響を与えることがわかります。職業などに関係なく、人々が金融取引をすることが世界的に広がっています。そして、この傾向は今後ますます拡大すると予想されます。
 したがって、金融について幅広い視点から多角的・複眼的に思考する・認識する・理解する能力を身につけることが、今の時代における金融教育の重要な課題であると考えられます。
 学生の皆さん、学問の幅広さと深みを大学で体感し、大学時代から、お金や金融の本質、人間と金融の関係、そして、持続可能な人類社会に貢献するための金融のあり方を考え始めましょう。
               
職名 教授
出身地 中国江蘇省
出身校 京都大学大学院経済学研究科博士後期課程・京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程
学位 博士(経済学 京都大学)・博士(人間・環境学 京都大学)
担当科目 金融論1・2、ファイナンス論
研究テーマ
  • 金融システムの構造変化
  • 経済と文化・社会との相互作用
主要業績
  • Central bank asset purchases, banks' risky security holdings and profitability: Macro and micro evidence from Japan and the U.S. International Review of Economics & Finance, 87, pp.347-364, 2023.
  • The dynamics of money supply determination under asset purchase programs: A market-based versus a bank-based financial system. Journal of International Financial Markets, Institutions & Money, 79, 101593, 2022.
  • Unconventional monetary policy and stock repurchases: Firm-level evidence from a comparison between the United States and Japan. Research in International Business and Finance, 51, 101091, 2020.
  • Measuring the effects of unconventional monetary policy on MBS spreads: A comparative study. North American Journal of Economics and Finance, 49, pp.235-251, 2019.
  • Monetary-fiscal policy interactions under asset purchase programs: Some comparative evidence. Economic Modelling, 73, pp.208-221, 2018.
  • Unconventional monetary policy and aggregate bank lending: Does financial structure matter? Journal of Policy Modeling,38, pp.1060-1077, 2016.
                        

※その他の研究業績については、下記「researchmap」(国立研究開発法人科学技術振興機構)で公開している研究ページをご覧ください。

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ポッドキャストで学ぶ金融英語(Finance English Podcast)

 王ゼミでは、金融・ファイナンス分野における英語の重要性を踏まえ、バイリンガル金融教育を実践している。この取り組みの一環として、現在、Martin Parsons教授(阪南大学総合情報学部)とコラボレーションして、金融英語ポッドキャストの開発および制作を行っている。英語ポットキャストを聞きながら、金融・ファイナンスの専門知識や実用的な金融英語、英会話表現などを身につけることを目的とした教育コンテンツである。iTunesまたはPodcastアプリでも再生・ダウンロードできる(University English Podcastで検索)。Enjoy!

Let's research!

 大学は「知」を創出する(研究)・伝授する(教育)場所とされている。「知」を生み出すことは難しいが、それなりのスリル感が伴う。(それに比べると、「知」を破壊するのは恐ろしいほど簡単である。余談ではあるが。)
 王ゼミでは、ゼミ生の好奇心と個性を最大限尊重しながら、知的探求心を育むことを実践している。ゼミ生はゼミの1年目から、自分が興味を持つテーマに関して、習得した金融・ファイナンスの専門知識を活かし、自身の言葉(日本語と英語)で的確に表現するという「訓練」を受けている。それによって、ゼミ生は、素朴な疑問から「自分の知」を創出するという研究の醍醐味が体験できる。
 英語においても中国語においても「先生」のことを「蝋燭(ろうそく)」で表現する。「わが身を燃やしながら、啓蒙の光で周りを照らす」という意味からすると、とても考えさせられる巧みなメタファーであるが、少し悲壮的なニュアンスを感じ取ってしまう。自分の経験から言えば、ゼミ生のみずみずしい感性と奇想天外な発想にインスパイアされることが多々ある。彼ら・彼女らの知的探究心を育むなかで、自分が研究者としての自覚も高めたと言ってもよい。
 研究の醍醐味は、研究をしたことのある人にしかわからない。“Let's research!”というシリーズは、卒論や研究発表などゼミ生の研究記録である。Enjoy the pleasure of finding things out!

研究活動

1.金融・ファイナンスに関する理論的・実証的研究をしている。具体的な研究関心は、金融機関、金融市場、コーポレートファイナンス、地域金融と金融政策などである。女性の視点ならびに東アジアの視点を提供することを目指す。

2.経済と文化・社会との相互作用メカニズムを研究している。経済現象にはどの国にも通用する普遍的なものと、各国それぞれ自国なりの固有文化によって規定され、それぞれの社会形態によって制約された個別的な側面がある。新古典派経済学が捨象した人間・文化・社会の多様性・異質性を考慮に入れ、経済と文化・社会との相互作用を探求したい。

3.金融教育におけるCLIL (Content and Language Integrated Learning) アプローチの効果について研究している。金融市場や金融機関のグローバル化が急速に進展している。金融関係の仕事をする人々にとって英語を使ってマーケット情報を収集・分析する能力、および英語コミュニケーション能力が今後ますます必要になってくると予想される。しかしながら、第一言語が英語でない学生にとっては、金融の専門知識と金融英語を同時に学ぶということは決して簡単なことではない。現在、金融教育にCLIL (内容言語統合型学習)アプローチを取り入れて、指導方法を探究しながら、その効果を検証している。

2012年の研究活動紹介(阪南経済Now 2012年9月号)

2013年の研究活動紹介(阪南経済Now 2013年11月号)

2022年の研究活動紹介

著書紹介

著書一覧

人間と市場経済 — 日本型市場経済システムの変容
に着目して
晃洋書房,2023年3月
ISBN: 978-4-7710-3730-4

現代金融理論與運作(古川顕氏との共著)
Modern Financial Theory and Operation
鄭州大学出版社,2019年3月
ISBN: 978-7-5645-6101-7

透過流行語看現代日本:第二集(2011年~2015年)【日中対訳】
Modern Japan as Revealed in Buzzwords: Volume 2 (2011~2015)【Japanese-Chinese Bilingual Book】
南京大学出版社,2016年10月
ISBN: 978-7-305-17628-9

中日文化的互動與差異(王述坤氏との共著)
Cultural Interaction and Contrast between China and Japan
南京大学出版社,2014年8月
ISBN: 978-7-305-13800-3

透過流行語看現代日本(日中双語)
流行語から見た現代日本(日中対訳)
中国科学技術大学出版社,2012年3月
ISBN: 978-7-312-02940-0

Journal of Our Journey

 いつもゼミ生に言っているが、若い諸君には無限の可能性が潜んでいる。色々な絵が描かれる白紙の如きである。しかし、自ら画筆を取り絵を描かない限り、白紙はいつまで経っても何もない白紙のままである。無限の可能性を確かな「実力」に変えるためには、絶えない努力が必要である。
 幸いなことに、ゼミ生はみんな学業・資格・クラブなどに一生懸命に取り組んでおり、その頑張っている姿を見てこちらも元気付けられている。そこで、ゼミ生が自分自身の努力によって成長を遂げた様子を記録したら、本人の大学生活の貴重な思い出にもなるし、ほかの学生にとっても励ましになるのではないかという考えが出てきた。
 “Journal of Our Journey”というシリーズは、その考えを現実にした試みである。

Study Abroad Adventures

 このシリーズは、ゼミ生の長期留学体験集である。1年間、親元を離れ、外国語を使って異文化の中で生活・勉学することは色々大変だが、自分の長期留学の経験から言うと、新鮮さ・楽しさ・刺激もいっぱいある。
 長期留学は、いろいろな意味で、実力をつけると同時に自分の実力を試す素晴らしい機会だと言える。語学力は言うまでもなく、国際感覚、自立精神、視野の広さ、思考の柔軟性なども養成できる。
 王ゼミでは、ゼミ生の留学を積極的にサポートしている。ゼミ生に海の向こうで逞しく成長して帰って来て欲しい。

自主金融ゼミISOF(Independent Seminar of Finance)を定期的に開催します!

自主金融ゼミ(ISOF)

王研究室では、学生の自主的な学習を支援するために、そして、金融についてもっと知りたい学生に学びやすい環境を用意するために、“Independent Seminar of Finance”(ISOF,学生自主金融勉強会)を毎年開催しています。ISOFは、学生が自発的に企画する勉強会で、金融に興味があれば、誰でも自由に参加できます。参加者は、自ら選んだ金融関連の本を一緒に読みながら、互いに議論したり、質問したりします。

金融の専門知識だけではなく、自分の意見・考えをわかりやすく他人に伝える力も身につけられます。さらに、同じ関心・興味を持つ仲間たちと密に交流することで、学生の自信を深めることもできます。

2011年度春休みのISOFに参加した学生の感想を紹介します:

「勉強会は先生も含めて参加している1人1人が一緒に考えていき、自分たちで発言しあい、議論をかわしあい、問題を解くという事をするのでとても有意義な時間だと思いました。」(2年生)

「春休みの勉強会は私にとって大変勉強になったと感じています。勉強会で同じ興味を持っている友達と金融について意見を交換し、お互いの金融知識を深めながら学習を進めていったのが本当に楽しかったです。これからも参加し続けたいと思います。金融に興味を持っている方が是非参加してください。」(2年生)

「私は全く金融の知識が無い状態でしたが、興味だけはあったのでISOFに初めて参加しました。学生主体で進めていく勉強会なので、普段の授業とは違った刺激が得られます。少しでも金融に興味があれば参加することをお勧めします!」(1年生)

やる気のある皆さん、ISOFへの積極的な参加を期待しています!